「日本食品標準成分表2010」発表 5年ぶり改訂

2010.12.01
 食品成分に関する基礎データを示した「日本食品標準成分表」が5年ぶりに改訂された。

 食品成分に関する基礎データを示した「日本食品標準成分表」が5年ぶりに改訂された。名称も最新の情報が収載されていることを示すため「五訂増補日本食品標準成分表」から「日本食品標準成分表2010」に変わった。

 食品成分表は、国民が日常的に摂取する食品や飲料を説明し、全国平均的な栄養成分値を表にまとめたもので、戦後の食糧難が続く1950年に誕生した。

 学校給食、病院給食、食事管理、治療食の栄養指導をはじめ、家庭での日常生活でも広く利用されており、また、厚生労働省の食事摂取基準(栄養所要量)作成のための基礎資料や、国民栄養調査などの基礎資料や基準設定としても活用されている。

「日本食品標準成分表2010」 5年ぶり改訂

 「日本食品標準成分表2010」には、米や小麦、魚、肉、野菜、果物から調味料、加工食品、茶・酒など18群計1878食品について、エネルギー、炭水化物、脂質、蛋白質、ビタミンなど50項目の成分値がもりこまれた。

 食品数1878は従来と変わらないものの、成分項目が7つ追加され50項目になった。別冊は「アミノ酸成分表2010」のほか、脂肪酸成分表がある。

 文部科学省の資源調査分科会の発表によると、主な食品について、蛋白質やトリアシルグリセロール(中性脂肪)の実際に摂取されている量がより正確に分かるようなった。炭水化物については、FAO報告書では澱粉や単糖などを直接分析して示すのが好ましいとされたが、今回の改訂では見送られた。

 主な変更点は次の通り――

  • FAO(国際連合食糧農業機関)報告書を受け、アミノ酸組成がわかっている食品については、アミノ酸組成から求める蛋白質量を収載した。体の血や肉、栄養素の運搬物質などになる蛋白質量はこれまでは、食品に含まれる窒素量に換算係数を掛け、間接的に求められていた。
  • 同様に脂質についても、脂肪酸組成がわかっている食品については、脂肪酸組成から求めるトリアシルグリセロール当量を収載した。
  • また、健康維持に有用で、厚生労働省策定の食事摂取基準にも掲載されているヨウ素などの5成分の成分値が新たに収載した。追加された微量栄養素は、「ヨウ素」「クロム」「セレン」「モリブデン」「ビオチン」。

 「日本食品標準成分表2010」に対応する書籍などは、今後各出版社から発売される。

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