ランタスで6カ国共同の比較試験「ATLAS」を実施 サノフィ・アベンティス
2010.09.16
サノフィ・アベンティスは15日、アジア太平洋地域の6カ国共同で持効型溶解インスリン製剤「ランタス」(インスリン グラルギン)の製造販売後国際共同ランダム化比較試験「ATLAS」(Asian Treat to target LAntus Study)を開始したことを発表した。
ATLASでは、同剤を新たに導入する患者を対象とし、用量調節を医師主導で行った場合と患者主導で行った場合の有効性と安全性を24週間にわたって比較・評価を行う。参加国は日本、中国、インド、パキスタン、フィリピン、ロシアの6カ国で、各国合計554例の患者が登録される予定。日本では最初の患者登録が8月5日に行われており、日本での登録患者数は、参加国の中で最大数となる160例を予定している。
同社によれば、アジア諸国でのインスリンによる治療実態は欧米と大きく異なっており、特に2型糖尿病の管理においては重要な課題となっているという。ATLASのグローバル代表世話人であるサティシュ・ガーグ教授(University of Colorado at Denver, Colorado, USA)は、「過去に西洋諸国での試験から得られたデータは、必ずしもアジアでの現状を反映しているとは言えません。このATLASは、その問題を解決するために設計された試験であり、アジアの2型糖尿病患者さんにおけるインスリン グラルギンの使用を正確に評価するのに役立つと言えます」と述べている。
同社では今後、ATLASの結果がまとまり次第、国内外の主要糖尿病関連学会において発表する予定。
(9月15日 プレスリリース)
【ATLASの概要】
- 試験名:Asian Treat to target LAntus Study:ATLAS
- 試験実施地域:日本、中国、インド、パキスタン、フィリピン、ロシア
- 対象:
一定用量の経口血糖降下薬2剤を使用しても血糖コントロールが目標未達成(HbA1cがNGSP値で7.0%以上11%以下)で、インスリンを使用していない40~75歳の2型糖尿病患者 - 試験デザイン:
上記対象患者を患者主導用量調整群または医師主導用量調整群のどちらかにランダムに割りつけ、目標とする空腹時血糖(FPG)値である110mg/dL(6.1mmol/L)を達成するまでインスリン用量を調整する - 試験期間:24週間
- 主要評価項目:6カ月目の時点における平均HbA1cのベースライン時からの変化
- 副次的評価項目:
ADA(米国糖尿病協会)の目標HbA1cを達成した患者割合(低血糖症の有無を問わない)、血糖プロファイル、患者満足度やQOLなどの指標を含む
カテゴリー:インスリン製剤
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