【厚生労働省】後発品の調査結果 糖尿病関連のジェネリック医薬品は規格に適合

2010.08.20
 厚生労働省は8月19日、2009年度の「後発医薬品品質確保対策事業」による検査結果報告書を公表した。対象となった35成分640品目のうち2成分3品目が製造販売承認書に定める溶出規格で不適合となったが、調査した経口血糖降下薬のうち先行薬と後発品のすべてが規格に適合した。

薬価収載されている品目を品質検査

 後発医薬品(後発品)は先発医薬品と同等とされているが、医療関係者の間で品質などについて不安が払拭されていないなど、後発品への信頼は十分に高いとはいえない。

 そこで厚生労働省は、後発品の品質確保の観点から2007年に「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を策定。同プログラムにもとづく取り組みのひとつとして、2008年度から「後発医薬品品質確保対策事業」を実施している。

 2009年度調査では、都道府県等の協力のもと市場流通している後発品のうち、2009年3月時点で薬価収載されている品目を対象に品質検査を実施。検査品目は、参照品目の先発医薬品109品目35有効成分を含む、後発品640品目35有効成分。検査品は各都道府県で卸売販売業者から検査品を入手、標準品は先発品を取り扱っている製造販売業者から入手した。

 検査項目として溶出試験、含有試験、放出試験、確認試験、エンドトキシン試験のいずれか、あるいは複数を実施。各検査項目の試験方法については、日本薬局方や日本薬局方外医薬品規格で規格が定められている場合には、局方または局外規に規定されている検査法を用いた。

糖尿病関連の後発品は規格に適合

 溶出試験を行った591品目30成分のうち、588品目30成分が適合。それ以外の検査を行った49品目5成分では、いずれの検査結果も規格に適合していた。溶出規格を逸脱していたのは「アンブロキソール塩酸塩15mg錠」、「ドロキシドパ100mgカプセル、同200mgカプセル」の3品目。

糖尿病関連の後発品の検査結果(2009年度後発医薬品品質確保対策事業)

検査品目 販売名 製造販売業者 製造が保管されていた営業所 結果
アカルボース50mg錠 アカルボース錠50mg「タイヨー」大洋薬品工業(株)富山県
グルコバイ錠50mgバイエル薬品(株)富山県
アカルボース100mg錠 アカルボース錠100mg「タイヨー」大洋薬品工業(株)富山県
グルコバイ錠100mgバイエル薬品(株)富山県
グリベンクラミド1.25mg錠 グリベンクラミド錠1.25mg[EMEC]サンノーバ(株)茨城県
オイグルコン錠1.25mg中外製薬(株)茨城県
ダオニール錠1.25mgサノフィ・アベンティス(株)茨城県
パミルコン錠1.25mg大正薬品工業(株)茨城県
ダムゼール錠1.25mg(株)三和化学研究所茨城県
グリベンクラミド2.5mg錠 グリベンクラミド錠2.5mg[トーワ]東和薬品(株)茨城県
マーグレイド錠2.5mgシオノケミカル(株)茨城県
ベンクラート錠2.5mg大洋薬品工業(株)茨城県
オペアミン錠2.5メディサ新薬(株)茨城県
セオグルミン錠2.5mg長生堂製薬(株)茨城県
オイグルコン錠2.5mg中外製薬(株)茨城県
ダオニール錠2.5mgサノフィ・アベンティス(株)茨城県
パミルコン錠2.5mg大正薬品工業(株)茨城県
ダムゼール錠2.5mg(株)三和化学研究所茨城県
ブラトゲン錠2.5mg日医工(株)茨城県

検査指定35成分
アカルボース、アシクロビル、アズレンスルホン酸ナトリウム、アテノロール、アムロジピンベシル酸、アロプリノール、アンブロキソール塩酸塩、イミダプリル塩酸塩、エチゾラム、塩酸シプロフロキサシン、オキサトミド、オメプラゾール、グリベンクラミド、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフェンフマル酸塩、シクロスポリン、スルピリド、セチリジン塩酸塩、セファレキシン、セフジトレンピボキシル、セフタジジム、セフポドキシムプロキセチル、ツロブテロール、テオフィリン、トリクロルメチアジド、ドロキシドパ、バルプロ酸ナトリウム、フマル酸ビソプロロール、フルコナゾール、ブロムペリドール、ベザフィブラート、ペルゴリドメシル酸塩、ベンズブロマロン、ラニチジン塩酸塩、ランソプラゾール

平成21年度「後発医薬品品質確保対策事業」検査結果報告書について(厚生労働省)

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料