米国糖尿病学会:糖尿病の診断検査にA1Cを推奨

2010.01.08
 米国糖尿病学会(ADA)は、2型糖尿病と糖尿病前症(pre-diabetes)の診断のための検査としてヘモグロビンA1C(hemoglobin A1C)を奨励している。新しいガイドラインはADAが発行する医学誌「Diabetes Care」1月号別冊に掲載された。
 検査前の2~3ヵ月間の平均血糖レベルを示すA1Cは、糖尿病診療で血糖コントロールの指標と評価に長く使われており実績がある。新しい2型糖尿病の診療ガイドラインは、A1C値が6.5%以上を糖尿病型と判定し、5.7~6.4%であると前糖尿病と判定する。
 「A1C検査は空腹時血糖(FPG)や経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)に比べ患者に強いる負担が少なく簡便に行える。より多くの検査を行うことで未診断の2型糖尿病患者を減らすことができる」とADAの新理事長であるRichard Bergenstal氏は話す。
 米国厚生省疾病管理・予防センター(CDC)によると、米国の糖尿病有病者の4人に1人に相当する570万人が未診断だ。さらに5700万は糖尿病前症で、新たに診断される数は毎年160万だという。「糖尿病の早期発見は患者のQOLの向上につながる」Bergenstal氏は述べている。
 これまでA1Cが奨励されなかった背景として、検査ラボによって異なる検査値が示される可能性があったが、現在では高い水準で標準化されているという。Bergenstal氏は、診断のためのA1C測定は、ポイント・オブ・ケア検査(POCT)ではなく中央の検査ラボで実施することを勧めている。
Summary of Revisions for the 2010 Clinical Practice Recommendations(Diabetes Care)
American Diabetes Association's New Clinical Practice Recommendations Promote A1C as Diagnostic Test for Diabetes(ADAリリース)

カテゴリー:臨床検査機器・試薬

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