【新型コロナ】ファイザーの新型コロナワクチンの3回目接種の有効性を確認 米国で追加接種により免疫を高めるブースターの承認へ
ファイザーとビオンテックがmRNAワクチン3回目接種の初期データをFDAに提出
ファイザーとビオンテックのmRNAワクチン(BNT162b2)について、追加接種で免疫を高める「ブースター」により、それに先立つ2回接種に比べ有意に高い抗体量がみられ、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の最初に流行した野生型だけでなく、変異株であるベータ株とデルタ株に対しても高い中和抗体が認められた。ブースター接種後の変異体に対する中和力価は野生型と同等だった。
観察された高レベルの免疫応答をみると、第一次のワクチン接種スケジュール後の6~12ヵ月以内に3回目の追加接種を行うと、COVID-19に対する高レベルの効果を維持できる可能性があるとしている。
両社は8月16日にこの第1相試験のデータを米国食品医薬品局(FDA)に提出したと発表した。承認取得のために、両社の新型コロナワクチンの3回目接種の用量を評価している。これらのデータは、数週間以内に欧州医薬品庁(EMA)などの関係当局にも提出される。
「ワクチン接種はCOVID-19の感染、とくに重篤な疾患や入院を予防するためにもっとも効果的な手段であり、命を守るために重要な影響があることに議論の余地はありません。一方、デルタ株の脅威が続いており、将来的に他の変異株が出現する可能性もあり、この非常に感染性の高いウイルスに対策する必要があります」と、ファイザーでは述べている。
「これまでに得られたデータで、ワクチンの3回目の接種により、2回接種の一次スケジュール後よりも大幅に高い抗体レベルを獲得できることが示唆されました。変異株への対処というCOVID-19のパンデミックでさらに深刻化する課題に取り組むために、これらのデータをFDAに提出できることを嬉しく思います」としている。
この第1相臨床試験プログラムは、米国成人を対象としたCOVID-19ワクチン(BNT162b2)の3回目の接種の安全性、忍容性、免疫原性を評価するもので、2回目の接種を受けてから8~9ヵ月後に30µgの追加接種を行った。その結果、3回目の接種を受けたグループでは、SARS-CoV-2ウイルス(野生型)だけでなく、感染性の高いデルタ変異株に対しても、2回の一次スケジュール後に比較して有意に高い中和抗体が誘発されたとしている。
3回目の接種を評価する第3相試験の結果も近日中に出ると予想しており、これをもとにFDAに2021年5月に提出した一次生物学的製剤承認申請(BLA)の承認を求め、さらに追加のBLAを提出し16歳以上を対象とした3回目の接種の承認を求める予定だ。
なお、ファイザーとビオンテックのBNT162b2ワクチンの3回目の接種は現時点では、米国で広範な使用が承認されていないが、修正された緊急使用許可のもとで、8月12日に臓器移植または同等レベルの免疫不全があると診断された12歳以上の患者への3回目の接種が許可されている。
コミナティ筋注(コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)) 添付文書 適正使用ガイド (医薬品医療機器総合機構)