経口セマグルチドによる肥満症の第3a相試験を開始 肥満または過体重で併発症を有する1,000人が対象
同社は、肥満または過体重で併発症を有する約1,000人を対象に、第3a相プログラムを開始する予定。この68週間の国際共同試験を2021年後半に開始し、プラセボと比較した経口セマグルチドの有効性および安全性を検討する。
肥満症患者に対するセマグルチド2.4mg週1回皮下投与は米国およびEUで審査中
セマグルチドはヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)ホルモンのアナログ製剤で、空腹感を軽減し、満腹感を高めることで、食事の量を減らしてカロリー摂取量を抑える。セマグルチド2.4mg週1回皮下投与は、成人肥満症患者に対する治療薬として現在米国およびEUで規制当局により審査中。*
規制当局への申請は、STEP(Semaglutide Treatment Effect in People with obesity:肥満患者におけるセマグルチドの治療効果)第3相臨床試験プログラムの結果にもとづいている。グローバル第3a相臨床試験プログラムは、過体重または肥満の成人約4,500名を登録した4つの試験で構成されている。**
経口セマグルチド(商品名:リベルサス錠、3mg・7mg・14mg)は、米国、EUおよび日本で、成人2型糖尿病患者の食事および運動療法で効果不十分な場合の血糖コントロールの改善を適応とする糖尿病治療薬として承認されている。
リベルサス錠の承認は、成人2型糖尿病患者9,543人が参加した10のPIONEER臨床試験プログラムにもとづいている。リベルサス錠は、臨床試験全体にわたって安全かつ忍容性の高いプロファイルを示し、主な有害事象は軽度から中等度の吐き気で、時間とともに減少した。
世界的な肥満の有病率の上昇は、保健医療制度の費用増大にもかかわる公衆衛生上の問題だ。全世界で約6億5,000万人の成人が肥満を有している。
「今日の肥満症治療には重大なアンメットメディカルニーズがあります。経口セマグルチドにより、肥満を抱える人々や医療従事者に対して簡便かつ効果的な治療選択肢を提供するとともに、肥満症治療薬がより幅広く使用されることを目指しています。経口セマグルチドは、私たちの皮下投与製剤による肥満症治療薬を補完するものとして、より多くの肥満を抱える人々が減量目標を達成し、健康状態を改善する手助けとなる可能性を秘めています」と、同社では述べている。
*ここでの「肥満」は、体格指数(BMI)30以上を肥満とする世界保健機関(WHO)の国際基準にもとづいている。 **同試験で検討する経口セマグルチドの適応および用量は日本を含めて未承認となっている。
リベルサス錠3mg/リベルサス錠7mg/リベルサス錠14mg 添付文書 患者向医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)