GLP-1受容体作動薬と新規のアミリンアナログの配合剤CagriSema 第2相試験の結果を発表 過体重の2型糖尿病が対象
CagriSema投与群ではHbA1cは2.18%低下 体重は15.6%減少
ノボ ノルディスクは、セマグルチドと新規のアミリンアナログであるカグリリンチド(Cagrilintide)の週1回皮下投与配合剤「CagriSema(カグリセマ)」の第2相臨床試験結果の概要を発表した。
アミリンは、インスリンとともに膵β細胞からから分泌されるペプチドホルモンで、グルカゴンの抑制、消化管運動の抑制による血糖調節、食欲の抑制などの働きがあるとみられている。糖尿病ではインスリンと同様にアミリンの血中濃度も低下していることが多い。
試験では、過体重の2型糖尿病患者92人を対象に、週1回投与のCagriSema(セマグルチド2.4mgおよびカグリリンチド2.4mg)固定用量配合剤の有効性および安全性を、セマグルチド2.4mgおよびカグリリンチド2.4mg各単剤の週1回投与と比較検討した。
3つの治療群は、均等に無作為割り付けが行われ、試験のベースラインでの平均HbA1cは8.4%、平均体重は106kgだった。
32週間の治療後、CagriSema投与群ではHbA1cの低下は2.18%であり、セマグルチド単剤投与群での1.79%およびカグリリンチド単剤投与群での0.93%と比較して、数値的に大きな低下を示した。
体重減少に関しては、CagriSema投与群では15.6%であり、セマグルチド単剤投与群の5.1%およびカグリリンチド単剤投与群の8.1%と比較して、数値的に大きな減少だった。
同試験では、CagriSemaの安全性と良好な忍容性プロファイルが示された。なお、試験結果は治験薬のestimand、すなわちすべての患者が治療を遵守し、他の抗糖尿病薬を開始しなかった場合の治療効果にもとづく。
「私たちは2型糖尿病患者さんでのCagriSemaの第2相試験の素晴らしい結果に勇気付けられています。この結果はCagriSemaがセマグルチド単剤よりも血糖を低下させることを示しており、本試験で見られた体重減少はCagriSemaが体重を大きく減少させる可能性があることを示しています」と、ノボ ノルティスクでは述べている。
同社では現在、同臨床試験結果にもとづき、2023年に2型糖尿病患者でのCagriSemaの第3相開発プログラムを開始する計画を進めている。過体重および肥満患者でのCagriSema (セマグルチド2.4mgおよびカグリリンチド2.4mg) 第3相プログラムであるREDEFINEは、2022年第4四半期に開始される予定。*
* 海外では、BMI25以上が「過体重(Overweight)」、BMI30以上が「肥満(Obesity)」と定義されている(世界保健機関)。