CGM・インスリンポンプからのアラートを見逃す可能性 ユーザーの操作ミスが原因? FDAが糖尿病患者に注意喚起

2025.02.19
スマホ次第で糖尿病デバイスからのアラートに気づかない可能性――FDAが注意喚起

 米食品医薬品局(FDA)は2月5日、スマートフォン(スマホ)に対応した糖尿病デバイスを使用する際、スマホの設定次第で重大な警告(アラート)を見逃す可能性があると注意を喚起するリリースを米国で発出した。

 このような事象は、使用しているハードウェアやソフトウェアの変更、更新、設定により発生する可能性があり、スマホ対応糖尿病デバイスを所持する全ての患者に対して、アラートが受信されていることを確認するよう呼びかけている。

 FDAの通知は、持続血糖モニター(CGM)、インスリンポンプ、自動インスリン投与システムに関するもの。これらの機器のユーザーから、「アラートが配信されるように設定されていたはずなのにアラートを受信していない」、または「音声アラームが鳴らない」といった報告がFDAに寄せられているという。

 このようなトラブルの発生につながる可能性のある原因として、これまでに以下のようなケースが特定されている。

  •  アプリケーション(アプリ)の通知許可の設定が適切でない、「サイレントモード」や「フォーカスモード」を使用している、アプリを一定期間使用していない場合にそのアプリが自動的に「ディープスリープ」状態になっているといった、ソフトウェアの問題。

  •  カーオーディオへの接続やワイヤレスイヤホンの使用など、スマホに新しいハードウェアを接続した際に、音声アラームのデフォルトの音量が変更されたり、アラートの配信が妨げられたりする可能性。

  •  医療アプリが対応していないスマホのオペレーティングシステム(OS)の更新。

 一方、FDAは、これらのデバイスのユーザーに対して次のような推奨を行っている。

  •  スマホに医療アプリをインストールして設定を行ったり更新したりする時には、糖尿病デバイスのメーカーが示している説明書の指示を注意深く遵守する。

  •  スマホOSの自動更新機能をオフにしておき、糖尿病デバイスのアプリが新しいOSと互換性があることを確認するまで、OSを更新しない。

  •  スマホのOSを更新した後、またはワイヤレスヘッドフォンなどの新しいアクセサリを追加した後は設定を確認し、医療アプリのアラートが受信され、音声アラームも発せられるか、注意深く確認する。

  •  少なくとも月に1回は、スマホのアラート機能が正常に機能しているかどうかを確認する。

  •  アラートを受診できない場合、または音声アラームが聞こえない場合は、医療機器メーカーのテクニカルサポートに電話をかけ相談する。

  •  糖尿病デバイスに関する問題をFDAに報告する。

 FDA医療機器・放射線保健センターのCourtney Lias氏は、「スマホに接続する糖尿病デバイスなどの最新の医療機器は、ユーザーにとって便利で柔軟性があり、自分に合わせてアラートを発せられる。しかし、ユーザーは、自分の期待どおりにアラートが配信され続けられるように確認する必要がある。また、正しく設定されていても特定のハードウェアまたはソフトウェアの変更により、アラートの配信が中断されることがあり、その場合、患者に危害が及ぶ可能性がある」と述べている。

[HealthDay News 2025年2月11日]

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