妊娠中の筋トレ、過体重・肥満妊婦の妊娠糖尿病リスクを抑制?

これまでの研究で、妊娠中の運動によってGDMのリスクが抑制される可能性が示唆されている。ただし、先行研究の多くはサンプルサイズが小さく、また、有酸素運動を中心とする介入では遵守率が高くないという限界があり、十分なエビデンスは確立していない。一方、筋トレは、有酸素運動と比べて妊娠中でも遵守されやすく、食後血糖値がより良好に管理されるとする報告がある。とはいえ、妊娠中の筋トレ介入と妊娠転帰との関連を示唆するエビデンスは限られている。これを背景としてSanta Cruz氏らは、過体重または肥満のある妊婦に対する筋トレ介入が、GDMや羊水過多症、巨大児などの妊娠転帰を改善するかを、ランダム化比較試験で検討した。
研究参加者は、18歳以上でBMI25以上であり単胎妊娠の妊婦209人だった。介入群には、妊娠12~14週から36週まで、または分娩まで、週に1回45~50分の指導者によるセッションと、週に2回以上の自宅でのトレーニングから成る介入を実施。対照群に対しては、運動を控えるような指示はしなかった。
主要評価項目であるGDMの発症率は、治療意図(ITT)解析では介入群2%、対照群7.3%(リスク差〔RD〕-5.3%〔95%信頼区間-12.5~0.5〕、P=0.07)であり、副次評価項目のうち羊水過多症の発症率は同順に0%、4.2%(RD-4.5%〔同-11.0~2.0〕、P=0.05)で、いずれも介入群で低い傾向にあった。巨大児の発生率は、介入群10.1%、対照群6.3%(RD3.8%〔-4.5~12.0〕、P=0.3)だった。
介入群のうち99人が出産時点まで追跡され、そのうち36人が妊娠期間中に筋トレを継続していた。この介入遵守群と対照群を比較したper-protocol(PP)解析では、GDM発症率は介入遵守群0%、対照群で7.3%(RD-7.3%〔-14.3~3.0〕、P=0.09)、羊水過多症の発症率は0%、4.5%(RD-4.5%〔-11.0~8.0〕、P=0.2)、巨大児の発生率は0%、6.3%(RD-6.3%〔-13.1~4.5〕、P=0.1)だった。
このほかに、12項目からなる短縮版健康調査(SF-12)で評価した生活の質(QOL)は、介入群ではベースラインから改善した一方、対照群では低下し、両群の平均変化量の差(MD)は8.4(95%信頼区間4.9~11.9、P<0.001)だった。流産や早産を含む有害事象の発生率に有意差はなかった。
論文の筆頭著者であるSanta Cruz氏は、「われわれの研究結果は、妊娠中に体系的な筋トレを継続することで、妊娠糖尿病のリスクを軽減し母親のウェルビーイングを改善できる可能性を示唆している。これらの結果を裏付け、妊娠管理に筋トレをどのように取り入れるべきかを検討するために、さらなる研究が求められる」と述べている。
[HealthDay News 2026年8月26日]
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