【新型コロナ】ワクチン3回目接種を受けた人は重症化・死亡リスクが大きく低下 厚労省調査
ワクチン3回目接種は効果がある
人工呼吸器を使用、ECMOを使用、ICUで治療のいずれかの条件にあてはまる患者を重症者とし、重症化率は、経過中重症にいたったが、死亡とならなかった患者、重症化して死亡した患者、重症化せず死亡した患者の合計を、感染者数で割ったもの。死亡者数は、新型コロナの陽性者で、死因を問わず亡くなった人を計上している。
その結果、70代の重症化率と致死率は、未接種がそれぞれ3.83%と2.00%、2回以下は1.94%と1.14%だったのに対し、3回接種は0.95%と0.63%となり、3回目接種を受けた人は、重症化と死亡のリスクが明らかに低い
80代以上の重症化率と致死率も、未接種がそれぞれ7.62%と6.63%、2回以下は3.67%と3.15だったのに対し、3回接種は2.15%と1.79%となり、3回接種との重症化率と致死率の差はさらに開き、3回目接種は効果があることが示された。
3回目接種を受けた人は重症化と死亡のリスクが低い
若年層のワクチン接種勧奨が課題に
30代、40代、50代をみても、3回目接種を受けた人は重症化と死亡のリスクがゼロになっており、3回目接種の効果が示されている。一方、若い世代は重症者や死者がほとんどいないものの、とくに20~30代のワクチン接種率は20%台と低い。政府は若い世代の接種率向上を急ぐ方針だ。
政府が4月11日に公表した接種率の報告によると、国内で3回目接種を受けた人は約5,755万人で、全人口の45.4%を占めている。年代別にみると80代が88.4%ともっとも高く、次いで70代が86.0%、90代が85.9%、65~69歳も77.8%となり、年齢が高いほど3回目接種を受けている。
しかし、まだ働いている人が多い65~69歳は66.7%、現役世代の50代が51.3%、40代が33.8%。若い世代の30代は25.9%、20代は24.0%。12~19歳では5.4%だった。
若年層も感染すると、家庭や職場で高齢者や基礎疾患がある人へ感染を広げるリスクがある。政府は、「新型コロナの拡大を抑制するためにワクチン接種が必要。若い人でも重症化や後遺症が起こるケースがある。若年層にもワクチン接種の効果や意義を十分伝える必要がある」と述べている。
なお、2022年2月2日~3月6日に、東京・大阪・宮城・愛知・福岡の計8,149人を対象に実施した抗体検査によると、ワクチンを接種した場合に陽性となる抗S抗体は、東京97.1%・大阪96.4%・宮城96.9%・愛知96.1%・福岡96.4%で確認された。一方、新型コロナウイルスに感染した場合に陽性となる抗N抗体は、2.71%~5.65%で確認された。調査参加者の1回目と2回目のワクチン接種率は96%だった。
現役世代や若い世代の3回目接種を促進することが課題になっている
第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (厚生労働省 2022年4月13日)
新型コロナウイルス感染症について (厚生労働省)