【新型コロナ】抗体カクテル療法「ロナプリーブ点滴静注セット」が世界初の承認 軽度から中等度のCOVID-19治療薬として特例承認

2021.07.20
 中外製薬は、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体「ロナプリーブ点滴静注セット300」「同1332」[一般名:カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)]について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、医薬品医療機器等法第14条の3にもとづく特例承認を取得したと発表した。

初の軽度から中等度のCOVID-19治療薬として日本で特例承認

 ロナプリーブは、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブを組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的に、米リジェネロン社により創製された。ロシュ社が2020年8月にリジェネロン社と製造、開発、販売について共同で実施することを発表し、同年12月に、中外製薬が日本での開発権および独占的販売権をロシュ社より取得した。7月19日時点で、ロナプリーブは日本以外の国では薬事承認されていない。

 今回の承認は、COVID-19患者を対象として海外で実施された第3相臨床試験REGN-COV 2067試験の成績、および日本人での安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第1相臨床試験の成績にもとづいている。海外の第3相臨床試験では、1回の投与でCOVID-19の重症化の抑制と症状消失までの期間短縮を確認したとしている。

 国内でのロナプリーブの供給は、日本政府との合意にもとづき、2021年分が確保されている。同社は、速やかな供給に向け、日本政府とともに協働していくとしている。

 「COVID-19の流行は複数の変異株の出現により新たな局面を迎えており、一日も早い収束のためには、ワクチンによる新規感染の抑制とともに、感染者に対する治療選択肢の拡充が極めて重要。ロナプリーブは、COVID-19重症化リスク因子を持つ外来患者さんの入院・死亡リスクを低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が臨床試験において示されています。デルタ株をはじめとする複数の変異株に効果があることも非臨床試験で確認されています」と同社では述べている。

販売名 ロナプリーブ点滴静注セット300、同1332
一般的名称 カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)
効能・効果 SARS-CoV-2による感染症
用法・用量 通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、カシリビマブ(遺伝子組換え)及びイムデビマブ(遺伝子組換え)としてそれぞれ600mgを併用により単回点滴静注する。

ロナプリーブ点滴静注セット300、同1332 添付文書 (医薬品医療機器総合機構)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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