経口GLP-1受容体作動薬「リベルサス錠」 半数以上で血糖管理目標を達成 安全性も支持 2型糖尿病成人が対象のPIONEER REAL調査
実臨床下での血糖管理指標の改善および安全性を支持する結果に 75歳以上の患者でもHbA1cと体重が低下
ノボ ノルディスク ファーマは、経口GLP-1受容体作動薬「リベルサス錠」(一般名:セマグルチド(遺伝子組換え))について、2型糖尿病のある成人を対象とした非介入市販後安全性調査であるPIONEER REAL調査の、日本での主要な結果を発表した。
主な結果は次の通り――。
- 主要評価項目である調査終了来院時までのHbA1cの変化量はマイナス0.7%で、ベースラインの平均7.7%と比較して統計的に有意な低下がみられた。
- 調査終了来院時に日本糖尿病学会(JDS)の定めるHbA1cの治療目標7.0%未満を達成した調査参加者の割合は、55.3%だった。
- 副次的評価項目である調査終了来院時までの体重の変化量はマイナス2.8kgで、ベースラインの平均72.8kgと比較して統計的に有意な低下がみられた。
- 有害事象は161例(25.8%)、268件報告され、うち軽度な有害事象が220件、中等度の有害事象が42件だった。もっとも発現頻度が高かった有害事象は悪心で、40例(6.4%)の調査参加者にみられた。有害事象によりリベルサス錠の服用を中止した調査参加者は68例(10.9%)だった。
- 75歳以上のサブグループ群では、75歳未満のサブグループ群と同程度のHbA1cおよび体重の低下が認められた。安全性のプロファイルは、両サブグループ群間で同様だった。
世界初にして唯一の経口GLP-1受容体作動薬
リベルサス錠は、2型糖尿病のある患者で食事および運動療法が効果不十分な場合の血糖管理の改善を適応とする糖尿病治療薬として承認されている、世界初にして唯一の経口GLP-1受容体作動薬。
PIONEER REAL調査は、血糖降下剤(注射剤)による治療歴がない2型糖尿病のある成人を対象に、実臨床下でのリベルサス錠投与に関連する臨床パラメータへの影響および安全性を検討することを目的とした、日本を含む13ヵ国で実施された多施設共同、前向き、非介入単群調査。
日本で実施された同調査は、製造販売後調査を兼ねており、2型糖尿病のある成人624例が対象となった。予定期間は34~44週で、75歳以上および75歳未満の患者からなる年齢別サブグループでの解析が設定された。
「2型糖尿病のある方にとって、目標血糖値の達成はいまだに大きな課題だ。日本にて実施されたPIONEERREAL調査では、実臨床下でリベルサス錠を服用していた2型糖尿病のある方の半数以上でJDSの血糖管理目標値が達成され、75歳以上の方でも75歳未満の方と同様の血糖管理指標の改善が認められた。さらに、さまざまな調査参加者層で、新たな問題となる安全性の所見は認められなかった。日本の2型糖尿病のある方に、リベルサス錠が引き続き治療オプションのひとつとして大きく貢献できると改めて確信している」と、同社では述べている。
なお、リベルサス錠の承認は、9,543人の成人2型糖尿病患者が参加したグローバル臨床開発プログラム(PIONEER)にもとづいている。PIONEERの10試験のうち、2つの第3a相臨床試験は、2型糖尿病のある日本人を対象としたもの。
同剤は1日1回服用の経口剤であり、日本では3mg、7mg、14mgの3つの用量が承認されている。開始用量は3mgで、4週間以上投与したのちに維持用量である7mgに増量する。患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgに増量することができる。リベルサス錠は、これまでに米国、カナダ、欧州諸国を始め、世界各国で販売されている。