低血糖アラート機能付きCGMが糖尿病ドライバーの交通安全に寄与 名古屋大学
低血糖アラート機能付きの連続血糖測定(CGM)デバイスが、自動車運転中の低血糖リスクとそれに伴う事故リスクを抑制する可能性のあることが報告された。

名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学の前田龍太郎氏らの研究の結果であり、詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」4月号に掲載された。
1型糖尿病患者では、アラート機能付きCGMの使用によって、血糖値が管理目標範囲を下回る時間が有意に減少し、かつ、インスリン療法中の患者全体での解析では、運転中の低血糖発生率の低下が示されたという。
この研究は、同大学医学部附属病院の糖尿病患者を対象とする、単施設、非盲検、ランダム化クロスオーバー試験として実施された。
研究参加者は自動車運転の頻度が週3回以上のインスリン療法患者30人で、ウォッシュアウト期間を8週間置き、アラート機能のオン条件とオフ条件をそれぞれ4週間試行した。両条件を終了した27人を解析対象とした。
解析対象者の主な特徴は、年齢61.9±12.6歳、女性30%、HbA1c7.5±1.0%、インスリン療法歴13.1±12.0年、インスリン注入回数3.4±1.2回/日、インスリン投与量24.1±10.4U/日であり、糖尿病の病型は1型30%、2型50%、その他の型20%。過去に低血糖を経験したことがある患者が81%で、42%は運転中の低血糖の経験を有していた。
主要評価項目として設定した、研究期間中の血糖値70mg/dL未満の時間の割合は、アラート機能のオン/オフで有意差がなかった[中央値がともに2.0%、P=0.169]。
ただし、事前に設定されていたサブグループ解析である、1型糖尿病患者(8人)のみでの解析の結果は、アラート機能オン条件では中央値5.5%[95%信頼区間 2.3~12.3]で、オフ条件の8.5%[同 2.0~21.0]より有意に少なかった[P=0.047]。
副次評価項目のひとつである運転中の低血糖の発生は、アラート機能オン条件では27人中5人(19%)、オフ条件では同9人(33%)であり、前者の方が有意に少なかった[P=0.041]。なお、運転中に血糖値が70mg/dL未満となっていた時間の93%は無症状だった。
このほかに、事後アンケート調査から、27人中25人が研究期間中に低血糖アラートを経験し、7人は運転中のアラートを経験していたことが分かった。また、17人(63%)が、「アラートによって自動車運転に対する自信が増した」と回答した。
著者らは、「アラート機能付きCGMは、自動車を運転する機会のあるインスリン療法患者の低血糖リスクを抑制する可能性が示唆され、その使用により糖尿病患者の運転の安全性がより高まると期待される」と述べている。
なお、著者のうち数人が、本研究の研究資金を提供したアボット ダイアベティス ケアとの利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。
[HealthDay News 2025年3月21日]
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