「医師の働き方改革」に向けた実証実験を開始 AIを活用し業務課題抽出と改善策提示 東北大学病院とNEC

2022.09.27
 東北大学病院とNECは、医師の業務課題の抽出と改善策の提示を行う新たな要因解析モデルの有効性を検証する実証実験を、10月より開始する。

 実証実験では、医師の業務種別ごとに業務の量や質にとどまらず、肉体的負荷や心理的負荷までを可視化・分析し、持続可能な医療の実現に向けた業務課題の抽出と具体的な改善策を自動で導き出す「医師の業務改善要因解析モデル」を確立し、その改善効果を検証する。

 具体的には、医師の動線上に設置したカメラ映像や、医師が装着するウェアラブルデバイスから取得する情報(加速度や脈波・発汗などの生理情報)を分析し、活動内容(診察、PC操作、患者説明、移動など)やストレス度(肉体的負荷、心理的負荷)を可視化。⼊退室情報や端末操作のログ情報なども分析する。

 2024年4月から適用開始される「医師の働き方改革」で、「勤務医の時間外労働の年間上限は原則960時間とする」とされるなど、医療現場ではこれまで以上に医師の業務を効率化する取り組みが重要になっている。

データ解析で業務課題抽出と改善策提示を行う新たな要因解析モデルの有効性を検証

実証実験の概要

 実証実験は、東北⼤学の「未来型医療創造卓越⼤学院プログラム」を起点とし、東北⼤学病院⽿⿐咽喉科・頭頸部外科の医師を対象に、東北⼤学病院が同院スマートホスピタルプロジェクトの⼀環として開設した「オープン・ベッド・ラボ(OBL)」と「アカデミック・サイエンス・ユニット(ASU)」での医療現場観察とを活⽤し、業務種別ごとに業務の量や質および医師の⾁体的負荷や⼼理的負荷を可視化し、根本的な業務課題の抽出に向けたデータ分析の有効性を検証するもの。

 OBLは、医療現場に準じた環境で共同研究開発を実施する、解決型研究開発実証フィールド。旧病床機能を企業に提供し、医療従事者とともに、事業化に資する課題解決に向けたコンセプト実証、プロトタイプ開発などを実施する。またASUは、企業の研究者などが医療現場に⼊り、現場観察を通じて医療従事者とともに解決すべき課題を探索するプログラム。

 臨床評価は、同⼤学⽿⿐咽喉・頭頸部外科学教室の⾹取幸夫教授を中⼼に、現場評価は、東北⼤学⽿⿐咽喉・頭頸部外科学教室の⽯井亮助教を中⼼に実施する予定。

 具体的には、医師の動線上に設置したカメラ映像や医師が装着するウェアラブルデバイスから取得する情報を分析し、医師の活動内容やストレス度を可視化する。

 これらの情報に加え、⼊退室情報や端末操作などのログ情報を合わせて分析し、医師の業務改善につながる課題を⾃動的に抽出する。さらに、これら課題に対する業務改善策を導き出し、その改善効果を検証する。これら⼀連の作業にAIを活⽤する。

実証実験の主な内容

1. 働き⽅を多⾯的に可視化する実証

 業務種別ごとの業務の量や質、⾁体的な観点、⼼理的な観点での業務負荷を可視化・分析するため、データ提供に同意を得た医師を対象に以下の実証を⾏う。

(1) 活動内容の可視化
・ 医師の動線上に設置したカメラ映像や、ウェアラブルデバイスから取得する加速度情報の分析により、医師の活動内容(診察、PC 操作、患者説明、移動など)を把握する。
・ 端末操作のログ情報から、どの業務にどのくらいの時間を適切にかけているかを把握。

(2) ストレス度の可視化
 ウェアラブルデバイスから取得する加速度や脈波・発汗などの⽣理情報の分析により、医師のストレス度(⾁体的負荷、⼼理的負荷)を把握する。

2. 業務課題抽出と改善策の提⽰を⾏う実証

・ 活動内容の可視化やストレス度の可視化で得た情報から、NEC 独⾃の要因解析モデルにより、医師の業務内容を⾃動で分析し、業務の効率化と持続化の両⽴に向けた業務改善の要因を推定する。
・ 分析結果から課題に対する改善⽅法を提⽰し、業務改善効果の検証までを⾏う。

 東北⼤学病院とNECはこの実証実験を通じて、今後、医師だけでなく病院内全体の労働環境改善と経営改善を両⽴させる解決⼿段の提案に取り組んでいくとしている。

未来型医療創造卓越⼤学院プログラム (東北大学)
オープン・ベッド・ラボ (OPEN BED Lab:OBL)
アカデミック・サイエンス・ユニット (ASU)

NEC 医療・ヘルスケアソリューション

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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