「リアルタイムCGM」と「isCGM」の使用指針を改訂 血糖管理の改善に寄与すると期待 日本糖尿病学会
「リアルタイムCGM」と「isCGM」の使用指針を改訂
日本糖尿病学会は、「リアルタイムCGM適正使用指針」および「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM):FreeStyleリブレに関する見解」の改訂版を公表した。
低血糖を回避しつつ血糖コントロールを行うため、インスリン療法を行っている患者は、自身の血糖変動について厳密に把握することが望ましい。患者自身が血糖値を測定する方法として、血糖自己測定(SMBG)、リアルタイム持続グルコース測定(リアルタイムCGM)、間歇スキャン式持続グルコース測定(isCGM)がある。
「SMBG」はもっとも一般的に行われている方法だが、インスリン療法中の患者の血糖変動は大きく、SMBGを行わない時間帯の血糖値や、血糖が上昇傾向か下降傾向にあるのかといった変動傾向を把握するのは難しいという課題がある。
一方、「リアルタイムCGM」や「isCGM」は、継続的に間質液中のグルコース濃度を自動測定し、血糖値を推定する機器。血糖コントロールが難しい糖尿病患者が使用すると、SMBGでは発見しにくい夜間・早朝の低血糖、食直後の高血糖、血糖上下動などもモニターできるようになり、血糖コントロール改善に大いに寄与することが期待されるとしている。
このうち、リアルタイムCGMは、グルコース値の変化を線状のグラフとして常時機器に表示し、測定結果から低グルコース閾値や高グルコース閾値にいたることを予測してアラートを発する機能などもあり、使用する患者に適切に指導しておくことで、患者自身が高血糖や低血糖に対して対策できるようになることが期待される。
またisCGMは、患者がリーダーをセンサーにかざしたときや、対応するスマート機器の使用により、自身のグルコース値とトレンドから、食事や運動、薬物による血糖値への影響をリアルタイムに知ることができる。さらに、2024年3月に発売された「FreeStyleリブレ2」は、スマートフォンアプリ「FreeStyleリブレLink」を使用すると、スキャン機能を使用しなくても、リアルタイムCGMとして使用ができるようになり、高血糖・低血糖アラート機能も使用できる。
ただし、日本糖尿病学会の公表した指針では、リアルタイムCGMやisCGMについて、「本品のモニターに表示される数値はあくまで皮下組織液のグルコース濃度から推測した血糖の推測値であり、この数値だけに頼ってインスリン量の調整をすることのリスクには留意が必要」として、「糖尿病の日常の自己管理に有用であるが、必要時にはSMBGを行って血糖値を確認する必要がある」と指摘している。
また、カーボカウントの実施時のインスリン量の調整については、同学会の「カーボカウントの手引き」や「[医療者のための]カーボカウント指導テキスト」を参照することを求めている。
詳細は、日本糖尿病学会のホームページで公開されている。