【新型コロナ】サノフィとGSKが開発中のCOVID-19ワクチン 第2相試験ですべての成人で強力な免疫反応

2021.05.27
 サノフィとGSKは5月17日、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するアジュバント添加遺伝子組換えタンパク質ベースワクチン候補について、722名の被験者を対象とする第2相臨床試験で、成人の全年齢層で高い割合で中和抗体反応がみられ、COVID-19から回復した感染者での測定結果と同程度だったと発表した。グローバルでのピボタル第3相臨床試験は、近日中に開始する見込みとしている。

成人すべての年齢層で強力な中和抗体反応を誘導

 サノフィとGSKが開発中のCOVID-19に対するアジュバント添加遺伝子組換えタンパク質ベースワクチン候補について、第2相臨床試験の中間結果では、全年齢層(18~95歳)ですべての用量群で2回目のワクチン接種後の抗体陽転率は95%~100%となり、忍容性は許容範囲で、安全上の懸念は認められなかった。

 ワクチン候補の接種後に生じる中和抗体の濃度は、感染者で観察される中和抗体レベルと同程度に高く、若年成人(18~59歳)ほど高いことが明らかにされた。

 また、SARS-CoV-2の感染歴があることが明らかな被験者では、1回目接種後に高い中和抗体濃度がみられ、ブースターワクチンの開発についても高い可能性が示唆された。

 今回得られた第2相臨床試験の肯定的な中間結果にもとづき、両社は今後数週間以内に、抗原量を10μgとし、GSKのパンデミックアジュバントを併せて接種する、グローバル無作為化二重盲検第3相試験を実施する予定としている。

 この第3相試験では、幅広い国々から3万5,000人を超える成人被験者が参加し、D614(武漢)株とB.1.351(南アフリカ)変異株を含む、2種類のワクチン製剤の有効性を評価する予定。

 これと並行して、両社は様々な変異株のワクチン製剤を用いたブースター試験を行い、低用量のワクチンを接種することで、初回免疫のワクチンプラットフォームの種類に関係なく、強力なブースター反応を誘導する能力の有無について評価を行う予定。

 第3相臨床試験で肯定的な結果が得られ、規制当局の審査が進めば、このワクチン候補は、2021年第4四半期に承認される見込みとしている。

 サノフィでは「私たちの第2相試験データは、このワクチン候補が今まさに進行中の公衆衛生上の危機に対して、その役割を果たせる可能性を示す内容です。今後も複数種類のワクチンが必要であり、特に変異株が次々と発生する状況では、通常の保存温度で保管が可能な、有効でブースター効果のあるワクチンの必要性が高まります。今回の良好な結果を受けて、有効性を検討するグローバル第3相臨床試験に進める予定です。さらなるデータを収集し、世界中のパートナーと協力し、できる限り早期にワクチンをお届けできるよう努めてまいります」と述べている。

 同社は、自社で2種類のCOVID-19ワクチンを開発するほか、自社の製造能力と専門知識を活用して、3種類のCOVID-19ワクチンの製造を支援している。

サノフィ
Updates on our COVID-19 Vaccines - Sanofi

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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