【新型コロナ】診療報酬データベースを用いたCOVID-19患者の重症化予測モデル 糖尿病罹患歴のあり/なしで差が
2022.01.26
慶應義塾大学、理化学研究所、日本システム技術は、新型コロナウイルスにおける重症化予測モデル開発に関する共同研究を行っており、このほど「診療報酬データベースを用いたCOVID-19患者の重症化予測モデルの構築および重症化因子の特定」を発表した。
「年齢が高いと重症化しやすい」「糖尿病に罹患していると重症化しやすい」といったよく知られた傾向に加え、「慢性疾患の組み合わせ」「健康リスクを抱えていて直近数ヵ月で病院に1度も行かない」という人が重症化リスク増加につながることが分かった。
レセプトデータや健診データなどを活用し重症化リスクを予測
研究では、利用許諾を得て匿名加工した同社が保有する診療報酬データ(レセプトデータ)や健診データなどを利用して、機械学習により数分で新型コロナウイルスの重症化リスク予測を行う手法を開発した。詳細は、2021年11月に開催された第26回日本薬剤疫学会学術総会などで発表された。
レセプトデータからとれる基本的なパーソナルデータ(性別・年代)に加え、病歴やCCIスコア(チャールソン併存疾患指数:慢性疾患の罹患数から算出されるスコア)からコロナ患者(またはコロナを罹患した際の)重症化リスクを予測した。
その結果、「年齢が高いと重症化しやすい」や「糖尿病に罹患していると重症化しやすい」といった報道でもみることの多い傾向に加え、「慢性疾患の組み合わせ」や「健康リスクを抱えていて直近数ヵ月で病院に1度も行かない」という人が重症化リスク増加につながるという新規性の高い考察も得られた。
出典:日本システム技術、2022年
共同研究は、慶應義塾大学薬学部医薬品開発規制科学講座の漆原尚巳教授や慶應義塾大学経済学部教授で理化学研究所AIPセンターチームリーダーの星野崇宏氏らによるもの。
理化学研究所 革新知能統合研究(AIP)センター
日本計算機統計学会第35回シンポジウム
第26回日本薬剤疫学会学術総会
[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]