日本糖尿病協会「自己管理ノート」が四半世紀ぶりに改訂 糖尿病自己管理のプラットフォームへ
2021.05.07
公益社団法人日本糖尿病協会(理事長:清野裕・関西電力病院総長)は、糖尿病患者用の記録ノートである「自己管理ノート」の内容を大幅に見直し、改訂版としてこのほど全国での配布を開始した。
糖尿病患者の療養支援ツール「自己管理ノート」
インスリン自己注射を行う患者は、きめ細かい血糖値のチェックが必要となる。「自己管理ノート」は、そうした患者の血糖自己測定をサポートする目的で1995年に日本糖尿病協会が発行し、現在まで診療現場で活用されている。 「自己管理ノート」は複写式のノートで、患者が朝・昼・晩・眠前の血糖自己測定の数値を記入し、診察の際に複写ページを主治医に提出する仕組みになっている。主治医は検査結果とともに、「自己管理ノート」に記載された数値を参考にして、治療内容を決定する。 今回の改訂のポイントは次の通り――。 (1) 血糖値記録手帳から日常生活での糖尿病自己管理のプラットフォームへ従来版は血糖値のみを記録するノートだったが、改訂版では血糖測定の数値だけでなく、血圧、体重、歩数も記載する欄が新設された。患者にさまざまな数値に関心をもってもらえるよう、「自己管理のプラットフォーム」としての役割を目指している。 (2) 利便性と楽しさを付加
従来の縦開きから横開きに変更し、1ページあたりの記入日数を16日分から10日分に削減することで、スペースを拡大し、記入しやすさを実現した。
また、表紙や説明ページに日本糖尿病協会のマスコットキャラクター「マールくん」を採用し、日々の自己管理に楽しさや明るさをもたらす。 今回の改訂について、日本糖尿病協会理事長の清野裕先生は次のように述べている。
「日本糖尿病協会は、インスリン自己注射と血糖自己測定の保険適用を厚生省(当時)に働きかけ、1981年と86年にそれぞれ実現しました。これにともない患者の療養支援ツールとして制作したのが"自己管理ノート"です。今回の改訂にあたっては、患者や医療従事者などさまざまな立場からの情報収集を行い、2年にわたる推敲を経て、新しい付加価値をもつノートを誕生させました。このノートを毎日活用いただき、血糖値とともに糖尿病治療の重要な要素である血圧・体重・歩数の数値を把握し主治医と共有することで、質の高い自己管理を目指していただきたいと思います」。
自己管理ノート
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]