セマグルチド、デュラグルチドとの比較で主要心血管イベントが23%低下 ノボ ノルディスク

2025.10.08
ノボ ノルディスクは、週1回投与のGLP-1受容体作動薬セマグルチドが心筋梗塞、脳卒中および死亡のリスクをデュラグルチドと比較して23%低下させたと発表した。研究結果は、2025年9月15日~19日に開催された欧州糖尿病学会(EASD)で発表された。

 セマグルチドとデュラグルチドは、ともに週1回投与のGLP-1受容体作動薬であり、2型糖尿病での投与で心血管リスクが低下したとの報告がされている。実臨床における使用状況でこの2剤の心血管アウトカムを直接比較した研究は今回が初となる。

 今回のREACHリアルワールド研究では、「target trial emulation framework」を用い、メディケア(65歳以上の高齢者や65歳未満の障がい者・末期腎不全患者を対象とした、米国政府が運営する医療保険制度)の出来高払い請求データから、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を有する2型糖尿病患者でセマグルチドまたはデュラグルチドの週1回投与を開始した66歳以上のマッチング後の患者58,336名(各群29,168名)のデータを抽出した。

 結果、セマグルチド投与群ではデュラグルチド投与群と比べて、心筋梗塞、脳卒中および死亡のリスクが23%低下していた。また、セマグルチド投与群ではデュラグルチド群と比べて、死亡リスクが26%、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症または心不全による入院、全死亡のリスク(5ポイントMACE)が25%低下していた。

 なお、本邦で承認されているオゼンピック皮下注(一般名:セマグルチド[遺伝子組換え])の適応症は「2型糖尿病」のみであり、海外で承認されているOzempicとは効能・効果、用法・用量が異なる。

[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]

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