「高齢者糖尿病治療ガイド2021」を発行 日本糖尿病学会・日本老年医学会
高齢糖尿病患者診療のためのガイドブック最新版
超高齢社会を迎えた日本で、高齢者の糖尿病管理は重要な課題となっている。日本糖尿病学会と日本老年医学会は、高齢者糖尿病の適切な評価にもとづくよりきめの細かい個別の管理目標をはじめとする診療指針を策定することで、高齢者糖尿病の診療のいっそうの向上をはかるため、2015年4月に合同委員会を設置した。これまで「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」の策定・公表や、ガイドラインやガイドを発行することで高齢者糖尿病診療に道筋を示してきた。
今回の改訂では、「病型分類」など非高齢者の糖尿病と共通する内容はできるだけ簡潔にまとめる一方で、高齢糖尿病患者に多い認知症、サルコペニア・フレイルなどに加えて、multimorbidityなどの「高齢者に多い併存症とその対策」ならびに「高齢者糖尿病をサポートする制度」の2つの章を新たに設けるなど、高齢者に特化した内容についていっそうの充実をはかった。また、11の具体的な症例を加えることによって、読者がより理解しやすいように工夫を加えた。
主要な目次項目
1. 高齢者糖尿病の特徴
2. 高齢者糖尿病の診断
3. 高齢者糖尿病の総合機能評価
4. 高齢者糖尿病の治療方針
5. 高齢者糖尿病の食事療法
6. 高齢者糖尿病の運動療法
7. 高齢者糖尿病の薬物療法
8. 低血糖およびシックデイ
9. 高血圧、脂質異常症、メタボリックシンドローム、サルコペニア肥満
10. 高齢者糖尿病における合併症とその対策
11. 高齢者に多い併存症とその対策
12. さまざまな病態における糖尿病の治療
13. 高齢者糖尿病をサポートする制度
具体的な症例(各項目の間に挿入)
[症例1]2型糖尿病の高齢女性
[症例2]カテゴリーIIの高齢女性
[症例3]カテゴリーIIの高齢男性
[症例4]高齢者で高用量SU薬を使用している患者への治療見直し
[症例5]非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を合併した2型糖尿病
[症例6]認知機能の低下でインスリンの自己注射が困難な症例
[症例7]心血管疾患を合併する糖尿病患者にGLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬を検討
[症例8]カテゴリーII:手段的ADL低下例
[症例9]カテゴリーIII:中等度の認知症例
[症例10]認知症合併例の治療例
[症例11]フレイル合併例の治療例