【新型コロナ】国内初のCOVID-19ワクチン「コミナティ筋注」が承認取得 ワクチン接種は17日にも開始 欧米に2ヵ月遅れ
2021.02.16
ファイザーおよびBioNTechは2月14日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン「コミナティ筋注」(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2))の日本での製造販売について、ファイザーが医薬品医療機器等法第14条の3にもとづく特例承認を取得したと発表した。同剤は、昨年12月18日に厚生労働省に承認を申請したもの。
95%の有効性を確認 年内に1億4,400万回分を提供
「コミナティ」(COMIRNATY)という製品名は、COVID-19、mRNA、コミュニティ(community)、免疫(immunity)という用語を組み合わせたもの。パンデミックで、過去にない世界的な協業によって安全性を最優先に科学的な厳格さと効率性をもって開発されたmRNAワクチンであることをあらわしている。 厚生労働省とファイザーは、2021年1月20日に、同年に同剤約1億4,400万回分を日本に提供するという最終合意書を締結した。 BioNTechが所有するmRNAワクチン技術にもとづく同ワクチンは、BioNTechとファイザーにより共同開発された。BioNTechは、EUでの製造販売承認、ならびに米国、英国、カナダ等の国で計画している製造販売承認申請に先立つ緊急使用許可または同等の許可等を有する。 今回の特例承認は、医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された主要な国際共同第2/3相試験のデータと、同剤の日本人での安全性、忍容性および免疫原性を評価した国内第1/2相試験の主要なデータを含む包括的な科学的エビデンスにもとづいている。 国際共同第2/3相試験では、2回目接種7日後から評価したSARS-CoV-2感染歴のない参加者の集団(1つめの主要評価項目)、SARS-CoV-2感染歴のある参加者と感染歴のない参加者を含む集団(2つめの主要評価項目)の両方で、同剤の発症予防効果は95%だった。 国内第1/2相試験では、海外試験結果と同様の安全性および免疫原性が示された。同試験は継続中であり、安全性については最終接種から12ヵ月後まで収集する。また、試験結果は今後査読のある論文などで公表する予定。 ファイザーとBioNTechは、日本政府との最終合意書で定めた供給計画にもとづき、ワクチンを直ちに日本に供給する。日本向けのワクチンは、BioNTechのドイツの製造施設と、ファイザーのベルギーのプールスにある製造施設で製造する。製造施設から日本国内の接種拠点までの輸送などの詳細については開示していない。 ファイザーは、米国の3つの製造施設(ミシガン州カラマズー、ミズーリ州セントルイス、マサチューセッツ州アンドーヴァー)、およびベルギーのプールスで同剤を製造している。 ワクチンの品質を確保するため、両社は同剤のために特別に設計した温度管理付きの配送箱を開発し、ドライアイスで推奨される保存条件(-90~-60°C)で一定期間の保存を可能としている。この配送箱には位置と温度を常に追跡するGPS付き温度センサーが装着されており、未開封状態で10日間温度を維持できる。 また、国内輸送については別に開発した配送箱を使用します。この配送箱の開封後は、超低温の冷凍庫(-90~-60°C)で同剤を保存する場合は、ラベルに表示された使用期限日まで品質を維持できる。また、同配送箱は、5日毎にドライアイスを補充することでワクチンの保管場所として使用することが可能。配送箱へのドライアイスの補充は最大2回までとなる。解凍後は、冷蔵条件(2~8°C)で最大5日間保存できる。 「COVID-19に対するワクチンを日本の皆様にお届けするために、国内外の臨床試験に参加されているボランティアと医療機関の皆様にご協力いただき、厚生労働省および医薬品医療機器総合機構と緊密に連携し、これまでにないスピードで特例承認が得られたことを大変嬉しく思います。引き続き臨床試験と製造販売後調査にて本剤の安全性と有効性に関する情報を収集し、適正使用のための情報を発信してまいります」と、ファイザーR&D合同会社では述べている。販売名 | コミナティ筋注 |
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一般名 | コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2) |
効能又は効果 | SARS-CoV-2による感染症の予防 |
本剤の予防効果の持続期間は確立していない。 | |
用法及び用量 | 日局生理食塩液1.8mLにて希釈し、1回0.3mLを合計2回、通常、3週間の間隔で筋肉内に接種する。 |
用法及び用量に関連する注意 | 接種対象者:本剤の接種は16歳以上の者に行う。 接種間隔:1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施すること。 |
製造販売承認取得日 | 2021年2月14日 |
製造販売元 | ファイザー株式会社 |
技術提携 | BIONTECH |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]