網膜OCT所見と高齢1型糖尿病患者の認知機能が相関

2021.01.29
 高齢の1型糖尿病患者の網膜OCT所見と認知機能に相関が見られることが報告された。米ジョスリン糖尿病センターのWard Fickweiler氏らが、罹病期間50年以上の1型糖尿病患者を対象に行っている研究から明らかになった。研究の詳細は、「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」に12月30日掲載された。

 若年期に発症し罹病期間が長くなることが多く、かつ2型糖尿病に比較し血糖管理が困難なことの多い1型糖尿病患者も、糖尿病治療の進歩により長寿を得られるようになった。それに伴い、1型糖尿病患者の認知機能低下が、新たな健康障害として注目されるようになってきている。ただし、認知機能の正確な評価には時間を要することもあり、研究があまり進んでいない。他方、最近の報告の中には、1型糖尿病患者の増殖糖尿病網膜症の存在と、認知機能低下との関連に言及したものも見られる。

 これらを背景としてFickweiler氏らは、高齢1型糖尿病患者に網膜OCT検査と認知機能検査を行い、その関連を調べた。検討対象は、罹病期間が50年以上に及ぶ1型糖尿病患者の横断研究「ジョスリンメダリスト研究」の参加者129人。網膜所見としては、OCT血管造影(OCTA)も施行して、表層毛細血管叢(superficial capillary plexus;SCP)および深部毛細血管叢(deep capillary plexus;DCP)の血管密度のほか、網膜神経線維層厚などを評価した。また認知機能は、精神運動速度、即時および遅延記憶を含む、認知機能精密検査で評価した。

 交絡因子を調整後、SCPおよびDCPの血管密度の低下と、認知機能の低下との間に有意な相関が認められた(DCPと遅延記憶との関連がP=0.002、SCPと利き腕の精神運動速度との関連がP=0.01)。また、網膜外顆粒層の菲薄化は、利き腕(P=0.05)と利き腕でない腕(P=0.01)の精神運動速度の低下と関連していた。さらに外網状層厚と遅延記憶の関連も認められた(P=0.04)。

 著者らは、「これらの発見は、OCTとOCTAを用いた非侵襲的網膜イメージングが、1型糖尿病患者の認知機能低下リスクを推定するのに役立つ可能性があることを示唆している」と総括している。

[HealthDay News 2021年1月20日]

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