世界初の経口投与できるGLP-1受容体作動薬「リベルサス錠」 2型糖尿病治療薬として承認取得

2020.07.02
 ノボ ノルディスク ファーマとMSDは、ノボ ノルディスク ファーマが承認を申請した1日1回服用の経口投与可能なGLP-1受容体作動薬である「リベルサス錠3mg」「リベルサス錠7mg」「リベルサス錠14mg」〔一般名:セマグルチド(遺伝子組換え)〕について、2型糖尿病を効能・効果として、2020年6月に承認を取得したと発表した。

世界初にして唯一の経口のGLP-1受容体作動薬

 「リベルサス錠」〔一般名:セマグルチド(遺伝子組換え)〕は、2型糖尿病患者の食事および運動療法で効果不十分な場合の血糖コントロールの改善を適応とする糖尿病治療薬として承認されている、世界初にして唯一の経口のGLP-1受容体作動薬。「リベルサス錠」は、生体内で分泌されるホルモンであるGLP-1のアナログ製剤。

 同剤はアルブミンと結合して代謝による分解の遅延および腎クリアランスの低下を示すと考えられており、またアミノ酸置換によりDPP-4による分解に対して抵抗性を示すことで作用が持続する。

 「リベルサス錠」の承認は、日本人1,293人を含む9,543人の成人2型糖尿病患者が参加したグローバル臨床開発プログラム「PIONEER」にもとづいている。PIONEERの10試験のうち、2つの第3a相臨床試験は、日本人2型糖尿病患者を対象としたものだ。

 日本人2型糖尿病患者の単独療法を対象とした臨床試験で示されたHbA1cの低下量は、投与後26週で「リベルサス錠」7mg(1日1回服用)で-1.6%、リラグルチド0.9mg(1日1回投与)で-1.4%、他の経口血糖降下薬1剤との併用療法では投与後26週でリベルサス錠7mg(1日1回服用)で-1.7%、デュラグルチド0.75mg(週1回投与)で-1.5%だった(治療方針estimand)。

 また、「リベルサス錠」14mg(1日1回服用)については、日本人2型糖尿病患者の単独療法のHbA1cの低下量は、投与後26週で-1.8%、他の経口血糖降下薬1剤との併用療法では投与後26週で-2.0%だった(治療方針estimand)。

 「リベルサス錠」は1日1回服用の経口剤であり、日本では3mg、7mg、14mgの3つの用量が承認されている。開始用量は3mgで、4週間以上投与したのちに維持容量である7mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgに増量することができる。

 「リベルサス錠」について、ノボ ノルディスク ファーマとMSDは日本国内での販売提携契約の締結を発表しており、両社が共同で医療機関への情報提供活動を行う。同剤の薬価収載後、準備が整い次第発売する予定としている。なお同剤は、これまでに米国、EU、スイス、カナダで承認されている。

 「ペプチド製剤であるGLP-1アナログの経口化は、糖尿病を克服するというノボ ノルディスクのパーパスの実現への大きな一歩です。リベルサス錠は、現在血糖コントロールの目標を達成していない多くの日本の2型糖尿病患者さんに新たな治療オプションを提供することができると信じています」と、同社では述べている。

リベルサス錠3mg/リベルサス錠7mg/リベルサス錠14mg 添付文書 (医薬品医療機器総合機構)

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