【新型コロナウイルス】感染疑いの人のPCR検査を医師の判断で行うべき 症状がない患者にも検査を
2020.04.22
COVID-19の院内感染防止のため、無症状患者の感染の有無を調べる検査に、公的医療保険を適用することを求める声明を、全国医学部長病院長会議が出した。
医師が問診をして感染の疑いが強いと診断した人を対象に検査をすれば、検査前確率が上がり、診断確率が上がるという提案も発表されている。
医師が問診をして感染の疑いが強いと診断した人を対象に検査をすれば、検査前確率が上がり、診断確率が上がるという提案も発表されている。
症状がない患者にも検査できる体制を 全国医学部長病院長会議
全国80の医学部を設置する大学と病院でつくる「全国医学部長病院長会議」は、COVID-19の院内感染防止のため、新型コロナとは別の疾患で入院している無症状患者の感染の有無を調べる検査に、公的医療保険を適用することを求める声明を出した。 同会議は、手術や分娩の前にPCR検査できる体制の整備が必要として、「各病院で院内感染を防ぐ水際対策が遅れれば、医療崩壊につながる」と強調している。 慶応大学や東京慈恵会医大学の付属病院などで院内感染が相次いでおり、一部の大学病院では、外科手術を受ける患者に対し無症状でも検査しているという。 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した人では無症状である場合があるが、何割の人が無症状なのか正確には分かっていない。現状では、検査は肺炎などの症状がある患者や、渡航歴のある人のみが保険適用や公費負担の対象となり、無症状だと全額自己負担にすると1~2万円かかっている。感染疑いの人のPCR検査を医師の判断で行うべき
「PCR検査を拡大し、感染の疑いのある人のPCR検査を医師の判断で行うようにするべき」だと、群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春氏らも主張している。 COVID-19のPCR検査は「実施に関しては保健所へ相談すること」となっているが、なかなか保健所に電話がつながらない、あるいは断られるといった実態があり、発熱のない咳や3日以下の発熱・咳などの軽症者は検査されていないのが実態だ。 この感染症の軽症者は約80%に上り、重症者の約4倍に上る。PCR検査の感度を70%程度と想定すると、偽陰性(感染しているのに、陰性と判定され見逃されること)が3分の1に上る。軽症者を含めた全症状者の最低約2倍は感染者がいることを考慮すると、現在顕在化している陽性感染者数の1.5×4×2=12倍は感染者がいると考えられるという。 さらに、軽症感染者や無症状感染者が感染を広げている可能性があり、脳梗塞や急性心筋梗塞で救急入院された患者にPCR検査をすると陽性だったという例も出ている。 「日常診療に携わっている医師は、新たに受診する患者さんのうち誰が新型コロナウイルスの感染者か分からないので、初診外来では注意しながら診察しています。とくに東京は、もはや誰が感染しているかわからないという前提で、対策をとるべきなのです」と、徳田氏は指摘する。 医師が問診をして感染の疑いが強いと診断した人を対象に検査をすれば、検査前確率が上がり、診断確率が上がる。徳田氏はインターネットのChange.orgで「コロナ感染疑いのPCR検査を医師の判断でやらせてください」というキャンペーンを展開し、賛同者を募っている。 全国医学部長病院長会議コロナ感染疑いのPCR検査を医師の判断でやらせてください(Change.org)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]