【新型コロナウイルス】東京都医師会が「PCRセンター」を新たに設置 都内8か所に 迅速な検査体制を整備
2020.04.16
東京都医師会などは「PCRセンター」を新たに設置することを発表した。新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、迅速な検査体制と病状に応じた診療体制の強化がはかられる。まずは23区内に6ヵ所、多摩地区に2ヵ所を設置する。
患者はかかりつけ医に電話などで相談し、その医師がPCR検査が必要と判断すれば、検査を受けられるようにする。
患者はかかりつけ医に電話などで相談し、その医師がPCR検査が必要と判断すれば、検査を受けられるようにする。
医師会が自治体と連携 迅速な検査体制を整備
東京都医師会などは自治体と連携し、「PCRセンター」を新たに設置することを発表した。まずは23区内に6ヵ所、多摩地区に2ヵ所を設置する。 地域のかかりつけ医がゲートキーパーとなり、新型コロナウイルス感染症の可能性の高い患者を抽出しPCR検査につなげることで、保健所や病院の負担を軽減する仕組みが考えられている。 センターでは都医師会に所属する医師が輪番で検査を担当。検査は民間の検査機関に委託する考えだが、採取した検体を運ばなくても済むように検査所に検査機器を配置する方向で調整している。 東京都をモデルケースにして、各地の医師会に協力してもらい、全国の自治体に早急に広げることを考えている。すでに東京都のほか、神奈川県や福岡県でも準備が進められている。PCR検査の件数を増やし、感染患者を拾い上げる必要が
都医師会は4月6日に医療的緊急事態宣言を出し、「感染患者の受け入れ能力を拡大したうえで、PCR検査の件数を増加させ、早く感染症患者を拾い上げる必要がある」と強調。 PCR検査を行うか振り分ける機能を果たしている保健所と帰国者・接触者相談センターでは、電話が殺到し、すでにオーバーフローを起こしていると指摘していた。 現在、感染が疑われる患者がPCR検査を受けるには、まず保健所に電話し、さらに都内77ヵ所の「帰国者・接触者相談外来」に連絡し、検体の採取が行われる。 PCR検査は3月に保険適用され、かかりつけ医が検査が必要と判断すれば、保健所を介さずに接触者外来に患者を紹介できるようになった。 しかし感染が拡大し、接触者外来はパンク状態になり、その外来につなげる保健所もパンクしている。「電話がかかりにくい」という状態が続いている。 「検査が重症者と濃厚接触者に事実上制限されており、実際の患者数を過小評価しているおれそがある」という指摘もある。新宿区はPCR検査スポットを開設
「PCRセンター」の開設により、検査に関わる業務を地域の医師会が担うことで、検査能力を高められると期待されている。 東京都新宿区は4月15日、国立国際医療研究センター病院(NCGM)に委託し、PCR検査スポットを開設することを発表した。 区医師会や、区内にあるNCGM、東京女子医科大学病院、東京医科大学病院、慶應義塾大学病院、JCHO東京新宿メディカルセンター、東京山手メディカルセンター、大久保病院、聖母病院と連携し、区民の新型コロナウイルス感染者への新たな医療提供モデルを実施する。 PCR検査は区医師会員などの各診療所からの紹介状により実施され、医師や技師などのスタッフは区医師会や各病院から派遣される。 検査所で陽性患者を振り分け、NCGMを窓口に各病院の病床確保を調整。重症は大規模病院へ、軽~中等症は中規模病院へ送り込み、軽症は自宅・宿泊施設で療養してもらう。 区内の各病院に病床確保に向けて協力してもらい、自宅療養患者のケアについては区医師会などが連携する。 多くの病院で人手や高機能マスクやアイシールド、フェイスガード、ガウンなどの個人防護具(PPE)が不足しており、患者から検体を採取する負担が増している。 また、日本ではPCR検査の実施数が海外に比べ少ないと一部から批判が上がっている。 各地の医師会と自治体が連携し、体制を拡充することで、病院の医師も入院など医療に専念でき、負担の軽減をはかれると期待されている。 東京都医師会 新型コロナウイルス感染症情報[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]