糖尿病を対象にデジタルセラピューティクスを日本で開発・商業化 糖尿病のチーム医療を支援する「BlueStar」

2019.11.21
 アステラス製薬は、糖尿病のチーム医療を支援する管理システム「BlueStar」を展開する米国のWelldoc社と、「デジタルセラピューティクス」の開発および商業化について、戦略的提携を行うと発表した。

デジタルセラピューティクスに関する戦略的提携

 デジタルセラピューティクスは、スマートフォンのアプリなどデジタル技術を用いて疾患の診断、予防、治療などの医療行為を支援あるいは実施すること。従来の医薬品では管理や介入が困難であった疾患に対する効果が期待されている。

 Welldoc社が開発した「BlueStar」は、成人の1型および2型糖尿病患者を対象とした疾患自己管理支援のためのデジタルヘルス製品。2010年に医療機器として米国食品医薬局(FDA)から承認を取得して以降、6つの追加承認を取得しており、現在、米国およびカナダで販売されている。

 同製品は、血糖値データを記録、保存、転送したり、患者の服薬、食事、運動などを追跡することにより疾患管理をサポートするほか、治療データと機械学習にもとづき、個々の患者に合わせて、治療を継続できるように行動を促すガイダンスやアドバイスを提供し、糖尿病の自己管理を支援する。

 医師向けの診断サポートシステムでは、診察前に患者の血糖値のほか、服薬状況や体調、疾患の進展状況などの情報を共有することが可能だ。
BlueStar
 アステラス製薬は同製品を、日本および一部のアジア地域で、共同で開発および商業化する。米国でもアクセス拡大に向けて協働する。両社は今後、糖尿病以外の複数の疾患を対象にデジタルセラピューティクスのグローバルでの開発および商業化も進めていく予定。

 同社は、医療用医薬品(Rx)事業での経験をベースに、最先端の医療技術と異分野の先端技術を融合させることで、Patient Journey(診断、予防、治療および予後管理を含む医療シーン全般)全体で患者に貢献し、単独で収益を生み出せる「Rx+TM事業」への挑戦を戦略目標のひとつに掲げている。

アステラス製薬
Welldoc「BlueStar」

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