糖尿病患者の仕事と治療の両立を支援 スマホのオンラインサービスを利用 中部ろうさい病院と共同で実施
2019.02.14
MICIN(マイシン)は、名古屋市港区の中部ろうさい病院と共同で、糖尿病患者が仕事と治療を両立できるよう支援する取り組みを2019年2月に開始した。
オンライン診療サービス「クロン」を使って通院の負担を減らすほか、患者の担当医と職場の産業医や上司がオンラインで情報を交換できる仕組みを提供し、患者が病状にあわせて働けるようサポートする。
オンライン診療サービス「クロン」を使って通院の負担を減らすほか、患者の担当医と職場の産業医や上司がオンラインで情報を交換できる仕組みを提供し、患者が病状にあわせて働けるようサポートする。
医師と勤務先とで患者の情報を共有
MICINは、医療データをAIなどで解析するデータソリューション事業やオンライン診療サービス「クロン」などを手がけている。「クロン」は、スマートフォンなどで予約から問診、受診、クレジットカードなどによる決済などもできるサービス。 対象となるのは、愛知機械工業など9社の従業員で、中部ろうさい病院に通う糖尿病患者約20人。患者はオンライン診療サービス「クロン」を使い、予約から問診、受診を行う。 患者の担当医は「クロン」のシステムを通じ、患者の勤務先の産業医や上司と病状や治療方針、就労時の注意点などを共有する。一方、患者の勤務先は就労状況や職種、勤務時間などについての情報をオンラインで医師に提供する。 医師と勤務先によるこうした情報の共有より、病状に合わせた治療方針の決定や糖尿病患者の働き方を支援できるという。 厚生労働省の「平成26年患者調査」によると、日本で糖尿病の通院治療を受けている患者数は316万人。国立国際研究センター・糖尿病センターの「糖尿病受診中断対策マニュアル」によると、糖尿病患者の1割近くが受診を中断している。 治療中断の理由は、「仕事(学業)のため忙しい」(23.7%)が多い。治療中断者は重症化して合併症を起こすことが多いことを示した調査もあり、治療の継続を促すことが大切だ。治療継続のために医療機関と勤務先が連携して患者をサポートすることが求められている。 2019年には関連法案が施行され、企業にとっては従業員の健康管理への配慮が求められる。今回の両立支援は約1ヵ月間の実験的な取り組みだが、同社は今後は関東など他地域の病院とも同様の両立支援を実施するとしている。オンライン診療サービス「クロン」
中部ろうさい病院
国立国際研究センター 糖尿病センター「糖尿病受診中断対策マニュアル」
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]