糖尿病性潰瘍に対する創傷治療システム「TKKT01」治験開始
2018.11.01
ロート製薬は、糖尿病性潰瘍の新たな治療選択肢として期待される「自己多血小板血漿」(PRP:Platelet-Rich Plasma)療法による創傷治療システム「TKKT01」の治験を開始すると発表した。糖尿病性潰瘍患者を対象として、有効性および安全性を検討する。
「自己多血小板血漿」(PRP)を損傷組織に投与 組織再生を促進
「TKKT01」は、糖尿病性潰瘍治療のための「自己多血小板血漿」(PRP)を調製する医療機器。既存治療での改善傾向が認められない糖尿病性潰瘍の新たな治療選択肢として期待されている。 近年、海外ではPRP療法の有用性が報告されている。この治療法は、患者から採取した血液から血小板を分離濃縮したPRPを損傷組織に投与することで、PRP中に含まれる高濃度の各種増殖因子の作用により組織の再生を促進するというもの。治験では、既存治療が奏効しない糖尿病性潰瘍患者を対象に、TKKT01の有効性および安全性が検討される。 糖尿病性潰瘍は糖尿病の合併症のひとつで、糖尿病患者での皮膚潰瘍の有病率は15%程度にも及ぶという報告がある。高齢化に伴い、糖尿病の合併症である糖尿病性潰瘍患者も増加が想定されている。糖尿病性潰瘍が重症化すると、下肢切断に至ることもあるため、糖尿病性潰瘍の創傷治療を積極的に行い、早期から病態の悪化を防ぐことが重要となる。 ロート製薬はスキンケア分野において、ダーマトロジー(皮膚科学)研究を積み重ね、多くの製品開発・製剤化のノウハウをもっている。「再生医療研究」では、治療法がない疾患や既存療法の効果が小さい疾患に対して新しい治療法の研究を進めており、既存治療での改善が認められない糖尿病性潰瘍の新しい治療法の提案を目指している。[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]