朝の血糖値と覚えてない低血糖 連載「インスリンとの歩き方」
1型糖尿病患者の遠藤伸司さんによる連載「インスリンとの歩き方」では、第22回「朝の血糖値と覚えてない低血糖」を公開しました。連載「インスリンとの歩き方」へ ▶
執筆者の遠藤さんは、中学生の頃に1型糖尿病を発症。以来、約30年間の療養生活の中で、留学や進学、就職、そして転職、プライベートまで幅広い経験を積み、なにかと無理をすることもあったようです。
連載では、そんな遠藤さんの半生を、糖尿病と上手につきあうためのコツやノウハウを中心に、実体験のエピソードを交えて語っていただきます。1型糖尿病患者さんをはじめ、2型糖尿病患者さん、糖尿病医療に携わる方々は、ぜひご一読ください。
第22回 朝の血糖値と覚えてない低血糖(本文より)
これ以上、面白い仕事はあるのだろうか...。
徐々に車が売れてきた僕は、営業という仕事が楽しくてしようがなかった。車が一台売れれば給与は上がるし、その上、お客さんからも喜ばれる。 それだけじゃない。僕の上司も喜ぶし、会社の人たちからも、いままでとは違った目で見られた。
車が売れるという状況を体験した僕は、車の試乗中にも、様々な出来事に遭遇した。試乗中に試乗車を盗まれそうになったこともあるし、味噌煮込みうどんが食べたい、ということで東名高速の用賀インターから名古屋まで試乗されそうにもなったし(もちろん僕も同乗中だったけれど)、また電柱にぶつけられて試乗車を破壊されたこともある。
一生懸命、車を売ろうとしていたからだろうか、僕は色々なお客さんにも巡り合った。なぜか免許がないのに、車を買ってくれるお客さん(車の走行距離は僕が運転した分の距離だけで、新しい車へ買い替え)や、僕は外車の営業マンなのに、なんと国産車まで僕から買おうとするお客さん。車種は僕に任せて、お金だけ用意するお客さん、3カ月ごとに買い替えをするお客さん、有名人や芸能人の方々など、本当にたくさんのお客さんに車を買っていただいた。