「一生続く不安と、どう向き合えばいいのか」 インスリンとの歩き方

2017.10.11

1型糖尿病患者の遠藤伸司さんによる連載「インスリンとの歩き方」は、第20回「一生続く不安と、どう向き合えばいいのか」を公開しました。連載「インスリンとの歩き方」へ ▶

連載「インスリンとの歩き方」

 執筆者の遠藤さんは、中学生の頃に1型糖尿病を発症。以来、約30年間の療養生活の中で、留学や進学、就職、そして転職、プライベートまで幅広い経験を積み、なにかと無理をすることもあったようです。

 連載では、そんな遠藤さんの半生を、糖尿病と上手につきあうためのコツやノウハウを中心に、実体験のエピソードを交えて語っていただきます。1型糖尿病患者さんをはじめ、2型糖尿病患者さん、糖尿病医療に携わる方々は、ぜひご一読ください。

インスリンとの歩き方/執筆者プロフィールへ ▶

第20回 一生続く不安と、どう向き合えばいいのか(本文より)

 「つまりね、1型糖尿病である、あなたの人生は、健常者の人生に比べると不安がひとつ多いのよ」

 恵比寿の飲み屋で酒を飲みながら、「彼女」ではない友人の女の子が僕に言った。気の強い子で、その日はその子の引越しを手伝わされた。駅から徒歩3分の3LDK、壁紙の白い部屋で、ブラウン管の巨大なテレビを設置したり重い家具を運んだり、と散々こき使われた。

 そのお返しに、その子のおごりで、僕らは食事をしていた。僕は車で来ていたので、向こうだけが酒を飲んでいた。

 「僕の人生を要約すれば、確かにそうかもしれない。ただね、その糖尿病の不安が、また別の不安、たとえば合併症への不安や寿命への不安も生むから、僕はいつも不安だらけなんだよな...」

 率直にネガティブな意見を返してみたが、彼女の反応はなかった。まあ、いいや。僕はうまそうな赤身の鮪をしょうゆにつけて、ペロリと食べた。僕の横では、無表情の彼女がぐいっと日本酒を飲んだ。

 僕は、もう一度、彼女にくらいつく。

 「じゃあ、君の言うひとつ多い不安と闘うために、僕はどうしたらいい?」

続きはこちら...
第20回 一生続く不安と、どう向き合えばいいのか ▶

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

SGLT2阻害薬を高齢者でどう使うか 週1回注射のインスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防
糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病性腎症患者に対する療養支援 持続可能な糖尿病運動療法 苦労しています、服薬指導-短時間で患者の心を掴み、リスク回避! 進化する1型糖尿病診療 多職種連携による肥満治療
糖尿病と歯周病の最新エビデンス 甲状腺結節の日常臨床での取り扱い 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術の最新エビデンス- 骨粗鬆症 脂質異常症 コレステロール低下薬 がんと糖尿病
インスリンの種類と使い方 糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント[経口薬] インスリンポンプ・持続血糖測定器 血糖推移をみる際のポイント
糖代謝の調節機構 脂質の代謝 リン酸化によるシグナル伝達 タンパク質とアミノ酸の代謝

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料