週1回投与セマグルチド群では、対照群よりも多くの患者が血糖降下と体重減少をともに達成

2017.09.15
第53回欧州糖尿病学会

 SUSTAIN 1~5試験の事後解析から、週1回投与のセマグルチド群では、対照群よりも多くの成人2型糖尿病患者が、臨床的に意義のあるHbA1c低下と体重減少をともに達成したことが示された。対照群はプラセボ、シタグリプチン、インスリン グラルギンU100、および持続性エキセナチドのいずれかだった。同解析結果は、第53回欧州糖尿病学会で発表された。

血糖降下と体重減少がともに認められた週1回投与のGLP-1受容体作動薬

 「SUSTAIN」(Semaglutide Unabated Sustainability in Treatment of Type 2 Diabetes)は、セマグルチドの週1回投与の臨床試験プログラムであり、合計8,000人以上の成人2型糖尿病患者を対象とした、心血管アウトカム試験および7つの第3a相国際共同試験から成る。

 SUSTAIN 1~5試験では、臨床的に意義のある複合エンドポイントである1%以上のHbA1c低下と5%以上の体重減少をともに達成した患者の割合は、週1回投与のセマグルチド0.5mg群では25〜35%、週1回投与のセマグルチド1.0mg群では38〜56%であり、両群ともに、いずれの対照群での割合(2〜13%)よりも統計学的に有意に高い結果が得られた(p<0.0001)。

 また、この複合エンドポイントを達成した患者の割合は、週1回投与のセマグルチド0.5mg群と比較して、セマグルチド1.0mg群で高いという結果が得られた(SUSTAIN 2、4、5試験ではp<0.0001、SUSTAIN 1試験ではp=0.17)。

 この事後解析において、セマグルチドは良好な忍容性を示し、安全性のプロファイルはその他のGLP-1受容体作動薬と同様だった。セマグルチド群でもっともよくみられた有害事象は悪心だった。

 SUSTAIN 1~4試験において、重大な低血糖あるいは血糖値確定症候性低血糖の発現件数は、週1回投与のセマグルチド群で、対照群より少ないかあるいは同程度だった。基礎インスリンの併用投与が行われていたSUSTAIN 5試験における発現件数は、週1回投与のセマグルチド群において、プラセボ群より多くみられた。

 「2型糖尿病患者に血糖降下と体重減少の目標を達成してもらうことは困難な場合がある。この課題を解決するためのさまざまな治療戦略が必要とされている中で、セマグルチドにより臨床的に意義のある血糖降下と体重減少がともに認められたことは励みになる」と、米国メリーランド州ロックビルの内分泌・代謝疾患のコンサルタントでメディカルディレクターであるヘレナ ロッドバード医師は述べている。

 週1回投与のセマグルチドは、米国食品医薬品局、欧州医薬品庁、日本の医薬品医療機器総合機構を含む7つの規制当局によって現在、審査されている。

Responder analysis of subjects achieving HbA1c ≥1% and weight loss ≥5% across SUSTAIN 1-5 clinical trials(第53回欧州糖尿病学会)

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