SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の配合剤がFDAより承認取得 アストラゼネカ
2017.03.09
アストラゼネカは、米国食品医薬品局(FDA)より、「Qtern錠」の2型糖尿病治療薬としての承認を取得したと発表した。同剤は、SGLT2阻害薬「ダパグリフロジン」10mgとDPP-4阻害薬「サキサグリプチン」5mgの固定用量配合剤。
同剤は、「ダパグリフロジン」10mgでの単剤治療を受けているにも関わらず、血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者、もしくはすでに「ダパグリフロジン」と「サキサグリプチン」の併用治療を受けている2型糖尿病患者の血糖値の改善を適応としており、食事・運動療法と併せて用いることで効果が期待される。
今回のFDAの承認は、メトホルミン(1,500mg/日以上)での治療では血糖コントロールが不十分(HbA1cが7%以上10.5%以下)な成人2型糖尿病患者に、「ダパグリフロジン」と「サキサグリプチン」での治療を追加した場合の有効性と安全性を評価した、24週間の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験(n=315)にて得られたデータにもとづいている。
「ダパグリフロジン」と「サキサグリプチン」の併用療法の安全性は、54週目までのプラセボ対照第3相試験3つを統合した安全性分析(N=1,169、うち492がQtern対照)によって評価された。
「ダパグリフロジン」を含むSGLT2阻害薬は、腎臓においてグルコースの再吸収を阻害することにより尿とともにグルコースを体外に排出し、血糖コントロールを改善する。SGLT2阻害薬およびDPP-4阻害薬は、血糖値の指標であるHbA1c値を低下させる。
「ダパグリフロジン」は世界85ヵ国以上(2017年2月現在)で2型糖尿病治療薬として承認されており、1型糖尿病治療薬としての適応は取得していない。なお、現在17,000名以上の心血管リスクが高い2型糖尿病患者を対象とした、本剤の心血管イベントへの影響を評価する臨床試験が進行中。
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]