SGLT2阻害薬服用患者さんへの「尿糖測定マネージメント」の有用性
2016.11.16
糖尿病ネットワークの連載「尿糖チェックで糖尿病コントール」第10回を公開しました。今回のテーマは「SGLT2阻害薬服用患者さんへの尿糖測定器による尿糖チェックの有用性について」。同薬は尿糖排泄を促進し血糖値を下げるという新機序の糖尿病治療薬ですが、排泄された尿糖値をチェックする意義について研究を行う加藤内科クリニック院長(東京・葛飾)加藤光敏先生にお話を伺いました。
全文はこちら ▶
SGLT2阻害薬を服用すると
毎回の尿に数1,000mgもの尿糖が排泄される
尿糖排泄を促進し血糖値を下げるという新機序の糖尿病治療薬SGLT2阻害薬は、2014年4月より発売されて3年目を迎えています。この薬を服薬すると、ブドウ糖が尿中に排出されることで血糖値が下がり、体重減少にもつながります。実際に尿糖測定を行ってみると、毎回の尿に数1,000mg/dLもの尿糖が出てきます。こういった現象を受け、排泄された尿糖値を観察することでどのようなことがわかるか、複数の研究が行われています。
非侵襲で手軽な尿糖チェックで
療養生活のモチベーションアップ
尿糖測定は、試験紙や測定器に尿をかけると、尿中に排泄された尿糖が定量できるというもので、自宅で誰でも手軽に使用できる測定法として活用されています。尿糖試験紙は主に尿中の尿糖排泄有無の判定に活用されているのに対し、尿糖測定器は排泄された尿糖が数値でわかるので、排泄量の変化をモニターするのに適しています。
通常、尿糖計は0~2,000mg/dLの尿糖値を測定できるものが汎用されていますが、近年では200~5,000mg/dLまで測定できるワイドレンジモデルが登場し、特にSGLT2阻害薬服用者の尿糖排泄状況を確認できるとして期待が寄せられています。
血糖自己測定(SMBG)で、患者さんが血糖値を観察するのと同様に、尿糖自己測定(SMUG)は食事療法や運動療法の振り返りなどに利用されていますが、これに加え、服薬状況のチェックにも活用の幅が広がります。
SGLT2阻害薬服用患者さんへの
尿糖測定器による尿糖チェックの有用性について
[dm-rg.net / 日本医療・健康情報研究所]