肥満症をストップ 肥満が11の病気の原因に こうすれば改善できる
2015.06.17
一般社団法人 日本肥満症予防協会は6月6日に東京で、設立記念セミナー「STOP!! 肥満症~ご存知ですか? 肥満が招く11の病気」を開催した。どうすれば肥満症を予防・改善できるかを、肥満医療に携わる専門家がそれぞれの立場から最新の知見にもとづく解説を行った。
一般社団法人 日本肥満症予防協会 設立記念セミナー
脂肪組織からさまざまな生理活性物質「アディポサイトカイン」が分泌されている。内臓脂肪のメカニズムの解明は、脂肪細胞から分泌される善玉のアディポサイトカインである「アディポネクチン」の発見によって始まった。このアディポネクチンの発見は、松澤佑次氏(住友病院院長、日本肥満症予防協会理事長)の大阪大学グループによってもたらされた。
内臓脂肪が過剰にたまった状態では、悪玉のアディポサイトカインがたくさん出過ぎたり、善玉のアディポネクチンの分泌が低下してしまうという現象が起こり、多くの病気につながる。松澤氏は、内臓脂肪を前提とした「メタボリックシンドローム」の前身となる「内臓脂肪症候群」を提唱し、肥満症に関する研究は飛躍的に進歩した。
肥満が11の関連疾患の原因に
STOP!!肥満症 ~肥満が招く11の病気
宮崎 滋 氏(日本肥満症予防協会副理事長 結核予防会理事・総合健診推進センター長)肥満と睡眠障害
塩見利明 氏(愛知医科大学医学部教授 日本睡眠学会副理事長 日本肥満症予防協会理事)玄米食の可能性:γ-オリザノールの役割
益崎裕章 氏(琉球大学大学院医学研究科教授 日本肥満学会理事 日本肥満症予防協会理事)肥満症対策の社会的意義
齋藤 康 氏(千葉市病院事業管理者 日本肥満症予防協会副理事長)パネルディスカッション「肥満症リスクの理解拡大へ向けて
一般社団法人 日本肥満症予防協会
「炭水化物を制限する"糖質制限ダイエット"が流行しているが、体重をコントロールし、ウエスト周囲径を減らすためにどのような食事法が効果的か」という質問に対し、「脂質とタンパク質だけを摂取してやせても、短期的な効果しか望めない。多くの人にとって、エネルギーを適正量にコントロールし、そのうえで糖質を摂り過ぎないようにするのがベスト」と回答された。 食事の基本は、3大栄養素のタンパク質、脂肪、炭水化物(糖と食物繊維)のバランスだ。「日本人が食べる食品の50~60%が糖質で、糖質を減らすと、タンパク質と脂肪が増え過ぎてしまうおそれがある。糖質制限によって、必要な栄養素のひとつを極端に減らすのは栄養バランスを欠くことになる」と指摘された。 糖質制限食は、インスリンの分泌が減って太りにくくなり、短期的には減量効果が大きいという報告があるが、数年後には体重がベースラインにほぼ戻ったという報告もある。脂肪のエネルギーは1g9kcalで、タンパク質や炭水化物の2倍以上だ。主食であるご飯の量を減らすと逆に脂肪の量が増え、エネルギーが増えて太りやすくなるおそれがある。 「食事を完璧にコントールしようと思わないことも大切です。好きな食べ物をやめるとストレスになる。自分の食事で何が問題になっているかを知り、減らせる食べ物を決め、エネルギーを徐々に減らす方法であれば長続きします」といったアドバイスが参加者に行われた。 一般社団法人 日本肥満症予防協会
「炭水化物を制限する"糖質制限ダイエット"が流行しているが、体重をコントロールし、ウエスト周囲径を減らすためにどのような食事法が効果的か」という質問に対し、「脂質とタンパク質だけを摂取してやせても、短期的な効果しか望めない。多くの人にとって、エネルギーを適正量にコントロールし、そのうえで糖質を摂り過ぎないようにするのがベスト」と回答された。 食事の基本は、3大栄養素のタンパク質、脂肪、炭水化物(糖と食物繊維)のバランスだ。「日本人が食べる食品の50~60%が糖質で、糖質を減らすと、タンパク質と脂肪が増え過ぎてしまうおそれがある。糖質制限によって、必要な栄養素のひとつを極端に減らすのは栄養バランスを欠くことになる」と指摘された。 糖質制限食は、インスリンの分泌が減って太りにくくなり、短期的には減量効果が大きいという報告があるが、数年後には体重がベースラインにほぼ戻ったという報告もある。脂肪のエネルギーは1g9kcalで、タンパク質や炭水化物の2倍以上だ。主食であるご飯の量を減らすと逆に脂肪の量が増え、エネルギーが増えて太りやすくなるおそれがある。 「食事を完璧にコントールしようと思わないことも大切です。好きな食べ物をやめるとストレスになる。自分の食事で何が問題になっているかを知り、減らせる食べ物を決め、エネルギーを徐々に減らす方法であれば長続きします」といったアドバイスが参加者に行われた。 一般社団法人 日本肥満症予防協会
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]