夜間低血糖の定義に関わらず、トレシーバは低血糖リスクを有意に低下

2014.07.04
 ノボ ノルディスク ファーマは、2型糖尿病患者での夜間低血糖の発現頻度は、夜間低血糖をどのように定義しても、持効型溶解インスリンアナログ製剤トレシーバ(インスリン デグルデク)で、インスリン グラルギンと比較して、有意に低くなるというメタアナリシス結果を公表した。

 統計的な有意差はみられなかったが1型糖尿病患者でも、夜間低血糖の発現頻度は、インスリン グラルギンと比較して、トレシーバで低いことが示された。

 調査結果は、サンフランシスコで開催された第74回米国糖尿病学会(ADA)学術集会で発表された。

夜間低血糖の定義によらず一貫した結果に

 トレシーバは、これまでに実施された臨床試験でインスリン グラルギンと同様の血糖コントロールの改善を示すことが確認されている。

 今回の報告は、夜間低血糖について、これまでに発表されたトレシーバのデータを利用し、これまでに使用していた夜間低血糖の定義に加えて、他の定義も用いてメタアナリシスを実施したもの。

 各試験において、夜間低血糖を評価する際の定義は、「0:01から5:59までの時間帯」に発現した、「56mg/dL未満の低血糖」あるいは「第三者の処置が必要な重大な低血糖」とした(ADAの定義では、血糖値は70mg/dL以下)。

 さらに、夜間低血糖について、過去に発表されたトレシーバのデータを利用し、これまでに使用していた夜間低血糖の定義に加えて他の定義も用いて再解析を行ったもので、「夜間」とする時間帯や低血糖と判断する血糖値の閾値を変更して検討した。

 主な内容として、以下の結果が公開されている。

インスリン治療歴のない2型糖尿病患者
(解析対象者数: トレシーバ1,279人、インスリン グラルギン631人)

 上記のこれまでに使用されていた定義で、夜間低血糖発現頻度は、インスリン グラルギンに比べ、トレシーバで有意に低くなった。また、ADAの定義による解析でも、トレシーバで有意に低いことが確認された。

Basal-Bolus療法を実施中の2型糖尿病患者
(解析対象者数: トレシーバ742人、インスリン グラルギン248人)

 上記のこれまでに使用されていた定義で、夜間低血糖発現頻度は、インスリン グラルギンに比べ、トレシーバで有意に低くなった。また、ADAの定義による解析でも、トレシーバで有意に低いことが確認された。

1型糖尿病患者
(解析対象者数: トレシーバ637人、インスリン グラルギン316人)

 夜間低血糖の発現頻度は、これまでに使用されていた先の定義でも、ADAによる低血糖の定義および時間帯を0:01~5:59とした場合でも、トレシーバで数値的に低くなることが分かった。

 これらの解析結果から、夜間低血糖の定義によらず、トレシーバの試験で一貫した結果が得られることが確認された。

ノボ ノルディスク ファーマ

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