リキスミアの投与タイミングを柔軟に設定 血糖降下作用は同等
2013.12.10
サノフィは、24週間にわたる第3相臨床試験で、GLP-1受容体作動薬「リキスミア」(一般名:リキシセナチド)を朝食前またはメインミールの前に投与し血糖降下作用を比較した結果、主要評価項目である両群の血糖降下作用(HbA1c)が同等であることが判明したと発表した。
試験では、体重変化の平均値は2.8kgまたはそれ以下で、リキシセナチドの投与タイミングによる差がないことが明らかになった。また、消化器系の忍容性にも投与タイミングによる差はなく、両群とも重症低血糖の発現はなかった。メルボルンで開催された「国際糖尿病連合(IDF)世界会議」で発表された。 今回の試験では、メトホルミンだけでは十分にコントロールできない2型糖尿病患者451例を無作為化し、リキシセナチドをメインミールの前に投与する群と、朝食前に投与する群のいずれかに割りつけた。昼食がメインミールであると回答した被験者が53%だった。 主要評価項目として、メインミール前投与群と朝食前投与群における24週後のHbA1c低下度の非劣性を検証したところ、HbA1c低下度はそれぞれ0.65%および0.74%であり、両群は同等であることが認められた。HbA1cが7%未満に到達した患者の割合は、メインミール前投与群では43.6%、朝食前投与群は42.8%だった。 体重変化の平均値は、メインミール前投与群は-2.6kg、朝食前投与群は-2.8kgだった。消化管系の忍容性にも群間差がなく(悪心の発現率はメインミール前投与群14.7%、朝食前投与群15.5%、嘔吐はそれぞれ2.7%および3.5%)、症候性低血糖の発現率は両群とも低く、重症低血糖の発現はなかった。 「1日1回投与の注射剤であるリキシセナチドが投与タイミングに関係なくHbA1cを改善することが明らかになった。投与タイミングをフレキシブルに設定できることは、特に糖尿病治療用の注射薬では重要な特性となる。現在受けている治療に追加して処方される薬剤として、今回のリキシセナチドの研究結果は大きな意味をもつ」と、スウェーデン・ルンド大学医学部のBo Ahren教授は述べている。 サノフィ
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]