現在、私たちは3回の食事とそれ以外にとる間食、すなわち、おやつや軽食、夜食など、個々の欲求や環境にあわせて自由に食品を選び、楽しむことができる幸せな時代を生きています。
しかし、戦後の文明化で世の中が便利に、豊かになるのに合わせ、体を使った労働は減り、精神的なストレスとともに体内には過剰な脂肪が蓄えられていきました。
現在の日本では飢餓に苦しむことはほとんどなくなり、お腹がすかなくても食品を口に入れ、気がつくと1日中食べ続けていることも少なくありません。このような食生活の積み重ねが、生活習慣病を招く要因の1つと考えられています。
「間食指導」の重要性といえば、糖尿病専門情報サイト「糖尿病ネットワーク」で4年前から糖尿病患者さんや医療スタッフ向けに情報提供が行われてきました。当初、糖尿病患者さんに対する間食は"禁止"が指導の上では一般的でしたが、患者さんの3分の2が日常的に間食習慣がありながら医療スタッフに隠れて食べていることが多いという現実や、患者さんの希望やQOLを保ちながら食事指導を行うことができないかという医療スタッフの思いも重なり「間食指導」が瞬く間に普及。患者さんと一緒に間食との付き合い方を考えることは一般的になってきました。
一方、間食習慣のコントロールは、食事療法を行う患者さんのみならず、予備群の人たちにも有用であり、とくに肥満を伴うメタボ予備群に対する指導には必須と言っても過言ではありません。
今回、当情報ファイルを企画するにあたり、保健指導スタッフの皆さんに
「メタボ世代の間食習慣」についてアンケート調査を行いました。30~60代の働き盛り世代で間食習慣のある人は、6~8割いると回答した方が最も多く、4~6割、8割以上と続き、間食は私たちの食生活の一部として、しっかり市民権を得ていることがわかります。そして、保健指導スタッフが様々な対象者の方と向き合うなかで、79%のスタッフが「間食は保健指導を行う上で外せないテーマである」と考えておられ、半数が間食を「なるべく控えてもらいたい」と、対策の必要性を感じていることが明らかになりました。
当情報ファイルでは、間食指導の基本をはじめ、具体的な指導方法を提案する隔月連載
「間食指導で考える生活習慣病改善アセスメント」(神奈川県立保健福祉大学・佐野喜子先生)、アンケート調査結果、指導で活用できる資材を公開しています。今後は、間食の選び方、食べ方など現場で役立つコンテンツ、新連載など、順次公開していく予定です。ぜひ、ご期待ください!