牛や豚の赤肉を食べすぎると糖尿病リスクが4割上昇
2013.05.23
牛や豚の赤肉をたくさん食べる男性は、ほとんど食べない男性に比べ、糖尿病を発症するリスクが4割高まることが、国立国際医療研究センター、国立がん研究センターなどの研究調査で分かった。
食肉を1日100g以上食べると
糖尿病の発症リスクが1.36倍に上昇
牛肉や豚肉などの赤肉に豊富に含まれる鉄や飽和脂肪酸、焦げ目が、酸化ストレスや炎症を引き起こし、インスリン感受性を低下させるという研究報告がある。ヒトにおいても肉類、特に赤肉の摂取により糖尿病リスクは上昇すると考えられている。しかし、これまで日本を対象とした疫学研究はほとんど行われていなかった。
研究チームは1990年と1993年に、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、沖縄、大阪に在住していた40~69歳の男女を対象に、食事調査を含む生活習慣についてのアンケート調査を行った。5年後の1995年と1998年に2回目のアンケート調査を行い、肉類(総肉類・赤肉・加工肉・鳥肉)の摂取状況などを含む食事内容や生活習慣について調査した。
このうち、1回目と2回目の調査時点で糖尿病、循環器疾患、がんを発症していなかった男女約6万4000人を対象に、2回目の調査時点から平均約5年追跡し、糖尿病の発症などを調べた。
研究開始から5年後に行なったアンケート調査の結果を用いて、肉類の摂取量により4つのグループに分類し、その後5年間の糖尿病発症(男性681人、女性497人)との関連を調べた。
肉類摂取と糖尿病との関連について(情報掲載ページ)
Red meat consumption is associated with the risk of type 2 diabetes in men but not in women: a Japan Public Health Center-based Prospective Study.