メトホルミン、シタグリプチンの併用療法へのランタス追加投与
2012.12.10
メトホルミンおよびシタグリプチンの併用療法では血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者に対して、ランタス(一般名:インスリングラルギン)を追加投与することで、血糖コントロールが改善したという研究データが、11月に京都で開催された第9回国際糖尿病連合(IDF)西太平洋地区会議で発表された。
EASIE試験は、インスリン治療の経験のない早期の2型糖尿病患者462例(診断後の平均経過年数:4.5年)を対象に、メトホルミンに追加投与する薬剤としてインスリングラルギンの1日1回投与またはシタグリプチン(100mg)の1日1回投与を6ヵ月間行い、効果を比較した国際多施設共同無作為化非盲検試験。
今回の試験では、メトホルミンおよびシタグリプチンの併用で十分な血糖コントロールが得られていない患者に、インスリングラルギンを追加投与することにより、(1)HbA1cの目標値に達成した患者の割合、(2)ベースラインからのHbA1cの変化、(3)ベースラインからの空腹時血糖値の変化の3項目を評価した。
6月に発表されたEASIE試験では、メトホルミン単独ではコントロールが不十分な早期2型糖尿病患者にインスリングラルギンを追加投与した場合、HbA1cが低下する効果が示された。
今回発表された延長試験では、EASIE試験においてHbA1cが7.0%以下に到達しなかった患者111例(インスリングラルギン+メトホルミン37例、シタグリプチン+メトホルミン74例)に対して、インスリングラルギンとメトホルミンとシタグリプチンの3剤併用としたところ、全体としてHbA1cは0.8%低下し、被験者の52%においてHbA1c7.0%未満を達成するという結果が得られた。
また、空腹時血糖値も34.1mg/dL(1.9 mmol/L)低下し、重度の低血糖の発現はみられなかった。特に、メトホルミンとシダグリプチンにインスリングラルギンを追加した群では、HbA1c7.0%未満の達成率が59%と全体よりも高く、インスリングラルギンは併用開始時期に関わらず有効であることが示された。
サノフィ
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]