「サインバルタ」糖尿病神経障害に伴う疼痛に対する追加適応の承認取得

2012.02.23
 塩野義製薬と日本イーライリリーは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬「サインバルタ カプセル 20mg」、「サインバルタ カプセル 30mg」(一般名:デュロキセチン塩酸塩)の糖尿病性神経障害に伴う疼痛を効能・効果として、追加適応の承認を取得したと発表した。

 糖尿病性神経障害に伴う疼痛は、末梢神経または脊髄神経の機能的異常による痛みであり、3ヵ月以上持続することが多く、しばしば難治性の慢性疼痛となる。症状として、左右対称性で両手または両足の同じ部分に出ることなどが特徴。また、夜間安静時に痛みが増すことが多く、睡眠障害に至ることもある。

 サインバルタは米国イーライリリー社が創製し、2004年に米国で発売した。大うつ病性障害に対する抗うつ薬として世界101ヵ国、糖尿病性神経障害に伴う疼痛に対する薬剤として98ヵ国で承認されている。

 糖尿病性神経障害に伴う疼痛の原因や機序はまだ解明されておらず、代謝障害、血管障害、神経再生障害など、いくつかの要因が関与して発症するとみられる。2000年に日本臨床内科医会調査研究グループが行った調査によると、糖尿病患者のうち、およそ40%が神経障害を合併しており、3大合併症の中でも最も高頻度にみられた。

 2007年度に行われた疼痛治療専門医に対する調査では、糖尿病性神経障害に伴う疼痛に対する医師の治療満足度は30%、薬剤貢献度は50%弱という報告もあり、医師の治療満足度および薬剤貢献度は、決して高いものではない。

「サインバルタ」の製品概要

製品名サインバルタ カプセル 20mg、30mg(Cymbalta)
一般名デュロキセチン塩酸塩(Duloxetine Hydrochloride)
効能・効果うつ病・うつ状態、糖尿病性神経障害に伴う疼痛(2012年2月22日 追加適応)
用法・用量通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40mgを経口投与する。投与は1日20mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量する。なお、効果不十分な場合には、1日60mgまで増量することができる。
製造販売承認日2010年1月20日
薬価収載日2010年4月16日
薬価サインバルタ カプセル 20mg 1カプセル 169.30円
サインバルタ カプセル 30mg 1カプセル 230.50円

塩野義製薬
日本イーライリリー

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料