糖尿病患者による高血圧症治療薬「ラジレス錠」とACE阻害薬/ARB併用について注意喚起 PMDA

2012.01.05
 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、昨年末に臨床試験を中止したノバルティス ファーマの高血圧症治療薬「ラジレス錠150mg」(一般名:アリスキレンフマル)の服用についてのリスク情報を公表した。糖尿病を合併している高血圧症患者における、同剤とアンジオテンシ ン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)との併用について以下のような注意を喚起している。

高血圧症治療薬「ラジレス錠」の服用に関する注意
  • 糖尿病を合併している患者さんに対して、本剤とACE阻害薬又はARBは併用しないでください。
  • 既に、本剤とACE阻害薬又はARBを併用投与中の糖尿病を合併している患者さんにおきましては、本剤の投与を中止してください。なお、必要に応じて、高血圧の代 替治療を考慮してください。
  • ACE阻害薬又はARBを投与中の糖尿病を合併している患者さんに対して、本剤の投与は開始しないでください。
  • 尚、医師への相談なしに本剤とACE阻害薬又はARBとの併用を中止しないよう、患者さんへご指導ください。

 欧州においては、欧州医薬品庁(EMA)より医療従事者に対し、一時的な予防的措置として 糖尿病を合併する高血圧症患者に同様の併用を行わない旨が伝達され、患者に対しては自己判断で本剤の服用を中止せず、主治医に相談するよう促している。  これらの措置は、現時点では確定的な評価ではなく、今後、PMDAにおいて試験データの詳細を収集し、本剤の使用に関して最終的な結論が出される模様。また、EMA等の海外規制当局においても、新たに得られる情報を基に評価する予定となっている。

関連情報
糖尿病を合併している高血圧症患者におけるアリスキレンフマル酸塩製剤のACE阻害薬/ARBとの併用について(2011年12月28日 PMDA)
糖尿病を合併している高血圧症患者さんに おける ACE 阻害薬又は ARB との併用について(2012年1月 ノバルティス ファーマ医療関係者向け情報)
ノバルティス、腎機能障害を伴うリスクの高い糖尿病患者さんを対象にした「ラジレス」によるALTITUDE試験の中止を発表(2011年12月21日 ノバルティス ファーマ)
European Medicines Agency starts review of aliskiren- containing medicines following termination of ALTITUDE study(2011年12月22日 EMA)

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
妊婦の糖代謝異常(妊娠糖尿病を含む)の診断と治療 糖尿病を有する女性の計画妊娠と妊娠・分娩・授乳期の注意点 下垂体機能低下症、橋本病、バセドウ病を有する女性の妊娠・不妊治療
インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注 GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド) CGMデータを活用したインスリン治療の最適化 1型糖尿病のインスリン治療 2型糖尿病のインスリン治療 最新インスリン注入デバイス(インスリンポンプなど)
肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬 肥満症患者の心理とスティグマ 肥満2型糖尿病を含めた代謝性疾患 肥満症治療の今後の展開
2型糖尿病の第1選択薬 肥満のある2型糖尿病の経口薬 高齢2型糖尿病の経口薬 心血管疾患のある2型糖尿病の経口薬

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料