厚生労働省は27日に「医薬品・医療機器等安全性情報 281号」を公表し、「メトグルコ」、「グラクティブ」、「ジャヌビア」の添付文書の「使用上の注意」をそれぞれ改訂したことを示した。
「メトグルコ」の使用上の注意を改訂
メトグルコ(一般名:メトホルミン塩酸塩、大日本住友製薬)は、メトホルミンの1日の最高投与量を750mgから2250mgに引き上げた新しい製剤で、国内で直近約1年間に約19万人の使用者がいると推計されている。
昨年5月の発売から1年間に因果関係が否定できない副作用として、脱水による乳酸アシドーシスが2例(死亡1例)、腎機能の悪化による乳酸アシドーシスが1例(死亡0例)報告されたことから、「重要な基本的注意」に「脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」などが追加された。
使用上の注意(下線部追加改訂部分)
[重要な基本的注意]
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脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
腎機能障害のある患者では腎臓における本剤の排泄が減少し,本剤の血中濃度が上昇する。投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。
1)腎機能や患者の状態に十分注意して投与量の調節を検討すること。
2)本剤投与中は定期的に,高齢者等特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能(eGFR,血清クレアチニン値等)を確認し,腎機能の悪化が認められた場合には,投与の中止や減量を行うこと。
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「グラクティブ」「ジャヌビア」の使用上の注意を改訂
「グラクティブ錠25mg、50mg、100mg」(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物、小野薬品工業)、「ジャヌビア錠25mg、50mg、100mg」(同、MSD)については、年間およそ63万人の使用者がいると推計されるが、同剤を使用した患者のうち過去1年5ヵ月の間に因果関係が否定できない副作用として間質性肺炎が6例(死亡0例)報告されたことから「重大な副作用」として「間質性肺炎」が追加された。
使用上の注意(下線部追加改訂部分)
[副作用(重大な副作用)]
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間質性肺炎:間質性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難,肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には,速やかに胸部X線,胸部CT,血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
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医薬品・医療機器等安全性情報 No.281(医薬品医療機器総合機構 2011年7月27日)