糖尿病治療薬の市場は拡大 上位10位のうち7製品が糖尿病に

2011.02.23

循環器・代謝領域での17%が糖尿病治療薬
脂質異常症の先発薬は後発薬との競合で減少

 英国の市場調査会社データモニターはこのほど、世界主要7ヵ国の2019年までの循環器・代謝領域での医薬品市場の予測を発表した。糖尿病治療薬は画期的な新薬が開発され市場が持続的に成長し、「2019年までに循環器・代謝領域での上位10製品のうち7製品を、糖尿病治療薬が占めるようになる」と予測している。この市場予測は、米国、日本、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国の7ヵ国を対象としている。

 一方、循環器・代謝領域の医薬品全体でみると、肥満の増加や高齢化の影響を受け販売量は増えるが、先行薬は成分・効果がほぼ同じジェネリック医薬品(後発薬)との競合にさらされ、市場規模は縮小すると指摘している。市場規模は2011年の1050億ドルがピークで、その後は19年に1010億ドルまで低下するという。

 同社では「市場における先行薬の比率は減少し、2019年までに後発薬とバイオシミラー(バイオ後続薬)が、主要7ヵ国市場での販売量の68%、売上高の28%を占めるようになる」と予測している。

 脂質異常症治療薬や高血圧症治療薬の先行薬で影響が大きい。「リピトール」(一般名:アトルバスタチン)は世界的に市場をリードしている先行薬だが、米国で特許の有効期間が2011年以降に切れる(欧州主要国では12年)。血栓症治療薬の先行薬では、「プラビックス」(同クロピドグレル)と「ロベノックス」(同エノキサパリン)といった抗血小板剤や抗凝固薬の後発薬も治療に使われるようになる。

 糖尿病治療薬は成長が有望視されている。糖尿病治療薬の診療でのニーズは高く、新薬の開発も進められており、市場が拡大し2019年までに循環器・代謝領域での売上高は17%を占めるようになり103億ドルに近づくという。「7ヵ国の循環器・代謝領域で2019年まで上位10製品のうち7製品を糖尿病治療薬が占めるようになる。糖尿病治療薬は現時点で売上高の35%を占めており、後発品との競合が強い米国でも50%に上る」としている。

 2019年までに売上の上位を占めるようになると予想されている糖尿病治療薬には、「ランタス」や「ノボラピッド」、「ヒューマログ」といったインスリン製剤の他に、DPP-4阻害薬「ジャヌビア」(メルク)、次世代の持効型インスリン「Degludec」(ノボ ノルディスク)、週1回投与型のGLP-1受容体作動薬「Bydureon」(アルカミーズ、アミリン、イーライリリー)、DPP-4阻害剤とメトホルミンの配合剤「ジャヌメット」(メルク)なども含まれる。

Diabetes pipeline cannot reverse cardiovascular and metabolic market decline

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