メトホルミンが糖尿病患者の膵癌リスクを減少 症例対照研究で検証
2009.08.20
糖尿病患者の膵癌リスクはメトホルミンによって減少する可能性があるとの研究結果が、米医学誌「Gastroenterology(消化器病学)」8月号に掲載された。
米テキサス大学M.D.アンダーソン癌センターのDonghui Li氏らは、2004年から08年にかけて、膵癌患者973例と対照患者863例を対象とし、病院ベースの症例対照研究を実施した。その結果、2型糖尿病患者がメトホルミンを使用していた場合、非使用の場合と比較して膵癌リスクが有意に低かった(オッズ比0.38)。一方で、糖尿病の罹病期間が長く、インスリン療法を5年以上行っていた患者では、非使用の場合と比較して膵癌リスクが穏やかに高かった(オッズ比2.78)。インスリン分泌促進薬やTZD薬に関しては有意差はみられなかった。
これまでの研究でも、2型糖尿病は癌リスクと関連があることが示唆されており、根本的な機序はインスリン抵抗性と高インスリン血症との関連により考えられている。研究者らは「広く使用されている糖尿病治療薬が膵癌などの発症にどのように影響を及ぼすかについて、より多くの情報を収集し検証する必要がある」と述べている。
Antidiabetic Therapies Affect Risk of Pancreatic Cancer
Gastroenterology, 137: 412-415, 2009.
米テキサス大学M.D.アンダーソン癌センターのDonghui Li氏らは、2004年から08年にかけて、膵癌患者973例と対照患者863例を対象とし、病院ベースの症例対照研究を実施した。その結果、2型糖尿病患者がメトホルミンを使用していた場合、非使用の場合と比較して膵癌リスクが有意に低かった(オッズ比0.38)。一方で、糖尿病の罹病期間が長く、インスリン療法を5年以上行っていた患者では、非使用の場合と比較して膵癌リスクが穏やかに高かった(オッズ比2.78)。インスリン分泌促進薬やTZD薬に関しては有意差はみられなかった。
これまでの研究でも、2型糖尿病は癌リスクと関連があることが示唆されており、根本的な機序はインスリン抵抗性と高インスリン血症との関連により考えられている。研究者らは「広く使用されている糖尿病治療薬が膵癌などの発症にどのように影響を及ぼすかについて、より多くの情報を収集し検証する必要がある」と述べている。
Antidiabetic Therapies Affect Risk of Pancreatic Cancer
Gastroenterology, 137: 412-415, 2009.
[mhlab / 日本医療・健康情報研究所]