超速効型インスリンアナログ製剤のバイオシミラーを発売 インスリン アスパルトBS注 NR「サノフィ」

2021.06.02
 サノフィは、インスリン アスパルトBS注ソロスター NR「サノフィ」、インスリン アスパルトBS注カート NR「サノフィ」、インスリン アスパルトBS注100単位/mL NR「サノフィ」(一般名:インスリン アスパルト(遺伝子組換え)[インスリン アスパルト後続1])を発売した。
 同剤は、超速効型インスリンアナログ製剤のノボラピッド注(一般名:インスリン アスパルト(遺伝子組換え))を先行バイオ医薬品とするバイオ後続品(バイオシミラー)。効能・効果は、インスリン療法が適応となる糖尿病。

先行バイオ医薬品と同じに使え安価なバイオ後続品に期待

 サノフィは、インスリン アスパルトBS注ソロスター NR「サノフィ」、インスリン アスパルトBS注カート NR「サノフィ」、インスリン アスパルトBS注100単位/mL NR「サノフィ」(一般名:インスリン アスパルト(遺伝子組換え)[インスリン アスパルト後続1])を5月31日に発売した。

 バイオ後続品は、国内ですでに承認された先行バイオ医薬品と同等・同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として開発されている。バイオ医薬品には値段が高いという難点があり、先行バイオ医薬品と同じように使えながら安価なバイオ後続品は期待されている。

 日本の国民医療費は年々増加しており、厚生労働省は医療財政の改善のために、医療費適正化計画を進めている。同社はこうした状況から、バイオ後続品は、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、先行バイオ医薬品と同様の治療選択肢を提供することで、患者の経済的負担の軽減や医療費の削減に貢献できるとしている。

 「インスリンで治療中の患者は、複数の薬剤を併用していることも多く、薬剤費以外にもさまざまな加算が発生することがあります。医療費を理由に治療を中止されてしまうことは、患者にとって一番のリスクにつながります。同剤の登場により、インスリンで治療中の患者の経済的負担を軽減することが可能となり、患者の治療満足度を上げ、継続できる治療の選択肢が広がったと考えます」と、横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学教授の寺内康夫先生は述べている。

 なお同剤は、EU、オーストラリア、カナダで2020年に承認を取得している。

インスリン アスパルトBS注NR「サノフィ」 概要

販売名 インスリン アスパルトBS注ソロスター NR「サノフィ」
インスリン アスパルトBS注カート NR「サノフィ」
インスリン アスパルトBS注100単位/mL NR「サノフィ」
一般名 インスリン アスパルト(遺伝子組換え)[インスリン アスパルト後続1]
効能・効果 インスリン療法が適応となる糖尿病
用法・用量 <ソロスター>
同剤は持続型インスリン製剤と併用する超速効型インスリンアナログ製剤である。
通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食直前に皮下注射する。なお、投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。

<カート>
同剤は持続型インスリン製剤と併用する超速効型インスリンアナログ製剤である。
通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食直前に、専用のインスリン注入器を用いて皮下注射する。なお、投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。

<バイアル>
通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食直前に皮下注射するが、持続型インスリン製剤と併用することがある。なお、投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。
必要に応じ静脈内注射又は持続静脈内注入を行う。
国内製造販売承認取得日 2021年3月23日
薬価 インスリン アスパルトBS注ソロスター NR「サノフィ」1,418円
インスリン アスパルトBS注カート NR「サノフィ」746円
インスリン アスパルトBS注100単位/mL NR「サノフィ」218円
薬価収載日 2021年5月26日
発売日 2021年5月31日

サノフィ
インスリン アスパルト(遺伝子組換え) 添付文書 くすりのしおり (医薬品医療機器総合機構)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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