末梢動脈疾患(PAD)に用いる経口抗凝固薬「イグザレルト錠2.5mg」発売 4適応・4剤形をもつ唯一の直接作用型経口抗凝固薬に

2022.11.08
 バイエル薬品は、選択的直接作用型第Ⅹa因子阻害剤(経口抗凝固薬)である「イグザレルト」(一般名:リバーロキサバン)について、新たに承認を取得した下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患(PAD)患者に用いる「イグザレルト錠2.5mg」を発売した。

 「イグザレルト」は、下肢血行再建術施行後のPAD患者での有用性が示されたはじめての抗凝固薬であり、抗凝固療法と抗血小板療法の2つの経路でアプローチする新たな治療選択肢を提供するとしている。

経口抗凝固薬「イグザレルト」は、4適応、4剤形をもつ唯一のDOACに

 末梢動脈疾患(PAD)は主に、動脈にプラークが蓄積し、手足への血流を制限する慢性進行性疾患であるアテローム性動脈硬化症が原因で起こる。

 日本ではPADのなかでも、動脈硬化が原因で、脚の血管が細くなったり詰まったりする下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)の患者数が多く、近年特に患者数が増加している。LEADになると、脚が壊疽になり脚を切断しなければならないことがあるが、それ以上に、心筋梗塞や脳卒中で死亡に至る危険が高くなる。

 PAD患者は、既存の治療にもかかわらず、脳梗塞、心筋梗塞、突然死などの心血管イベントのリスクが依然として高いままだ。下肢血行再建術施行後のPAD患者では、患肢の再発リスクに加え、対側肢のPAD発症リスク、心血管イベントや死亡のリスクにも注意が必要となる。

 バイエル薬品は、「イグザレルト」の発売により、新たな治療選択肢として、同剤を加えた2つの経路でのアプローチ、すなわちアスピリンによる抗血小板療法に、抗凝固療法としてほかの成人適応より少ない用量の同剤を上乗せする治療法が可能になったとしている。

 「イグザレルト」の下肢血行再建術施行後のPAD患者に対する適応は、下肢血行再建術施行後の症候性PAD患者6,500人以上が参加した第3相臨床試験VOYAGER PADのデータにもとづき承認された。同試験では、アスピリン(100mg 1日1回投与)に、ほかの成人適応より少量のリバーロキサバン(2.5mg 1日2回投与)を上乗せした場合、安全性主要評価項目(TIMI分類にもとづく重大な出血事象)の発現を有意に増やさずに、有効性主要評価項目の複合エンドポイント(急性下肢虚血、血管系の病因による大切断、心筋梗塞、虚血性脳卒中または心血管死)の発現を15%有意に低下させることが示された。同データは、「New England Journal of Medicine」に掲載された。

 これにより、日本では2012年に発売された選択的直接作用型第Ⅹa因子阻害剤「イグザレルト」は、4適応、4剤形をもつ唯一の直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)となった。非弁膜症性心房細動患者での虚血性脳卒中・全身性塞栓症の発症抑制、深部静脈血栓症(DVT)・肺血栓塞栓症(PE)患者の治療・再発抑制の成人適応に加え、DOACでははじめて、小児に対する静脈血栓塞栓症(VTE)の治療・再発抑制、および、下肢血行再建術施行後の成人PAD患者に対する血栓・塞栓形成の抑制について、それぞれ承認が取得されている。

 同剤は、細粒分包、OD(口腔内崩壊)錠、ドライシロップ小児用の4剤形が提供されており、また血栓症領域でのより安全性の高い薬剤へのニーズを捉えるため、第XI因子阻害剤の臨床開発も進められているという。

イグザレルト錠2.5mg

イグザレルトの概要 (下線部追加)

販売名 イグザレルト錠10mg、同錠15mg、同細粒分包10mg、同細粒分包15mg、同OD錠10mg、同OD錠15mg、同ドライシロップ小児用51.7mg、同ドライシロップ小児用103.4mg、同錠2.5mg
一般名 リバーロキサバン(rivaroxaban)
効能・効果 イグザレルト錠10mg、同錠15mg、同細粒分包10mg、同細粒分包15mg、同OD錠10mg、同OD錠15mg
成人
    • 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
    • 静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制
    • 小児
    • 静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制

イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg、同ドライシロップ小児用103.4mg
静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制

イグザレルト錠2.5mg
下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制
用法・用量 イグザレルト錠10mg、同錠15mg、同細粒分包10mg、同細粒分包15mg、同OD錠10mg、同OD錠15mg
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。

〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
成人
通常、成人には深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し、その後は15mgを1日1回食後に経口投与する。

小児
通常、体重30kg以上の小児にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。

イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg、同ドライシロップ小児用103.4mg
通常、体重2.6kg以上12kg未満の小児には下記の用量を1回量とし、1日3回経口投与する。体重12kg以上30kg未満の小児にはリバーロキサバンとして5mgを1日2回、体重30kg以上の小児には15mgを1日1回経口投与する。いずれも空腹時を避けて投与し、1日1回、2回及び3回投与においては、それぞれ約24時間、約12時間及び約8時間おきに投与する。

イグザレルト錠2.5mg
通常、成人にはリバーロキサバンとして2.5mgを1日2回経口投与する。
製造販売承認日 イグザレルト錠2.5mg 2022年6月20日
薬価 イグザレルト錠2.5mg 117.80円/錠(薬価基準収載日2022年8月18日)
発売日 イグザレルト錠2.5mg 2022年10月24日
製造販売元 バイエル薬品株式会社

リバーロキサバン (イグザレルト) 添付文書 インタビューフォーム 患者向医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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