ノボ・千葉大学・旭市が糖尿病対策に関する連携協定を締結 都市での2型糖尿病の発症抑制・重症化予防に向けた共同研究にも着手
都市での2型糖尿病の発症抑制および2型糖尿病患者の重症化予防の実現を目指す
2005年に旭市・海上町・飯岡町・干潟町が合併して誕生した旭市は、千葉県の北東部に位置し、千葉市から50km圏、また都心から80km圏にある、人口約6万5,000人の都市。
同市では、人口減少と少子高齢化が急速に進行するなか、地方創生の観点から国が推進する施策のひとつである「生涯活躍のまち(日本版CCRC)構想」にもとづき、「旭市生涯活躍のまち構想」を重点戦略として位置づけている。
元気な高齢者を中心とする都市住民の誘致と、若者世代の流出抑制・流入促進や仕事づくりに取り組み、市全体の活性化をはかっている。今回、協定を結んだ糖尿病予防に関連する啓発活動への協力や連携は、市が実施する市民の健康増進施策の一環として行うもの。協定は、2025年12月まで継続される。
包括連携協定と同時に、ノボ ノルディスク ファーマと千葉大学は、共同研究契約を締結する。共同研究の実務責任者は、同大学医学部附属病院次世代医療構想センター長・特任教授の吉村健佑氏。
包括連携協定にもとづき、市が保有するデータを活用し、市での2型糖尿病患者数の増加の抑制(発症抑制)および2型糖尿病患者の重症化予防をテーマに研究を行う。研究は、最長で2025年まで継続される予定。
2021年6月~2022年5月に、調査設計・データ整理・データ分析・糖尿病予防介入プログラムの策定を行い、2022年6月から2024年末に、策定された糖尿病予防介入プログラムを旭市と連携して実施する予定。2025年には、アウトカム評価を行い、論文発表も行うとしている。
同社が世界の各都市で行っている「Cities Changing Diabetes(都市に蔓延する糖尿病の克服)」は、糖尿病患者の3分の2が在住している都市環境での糖尿病の劇的な増加に対応するためのパートナーシッププログラム。
都市での2型糖尿病および肥満症の課題を特定し、結果を共有するとともに意義のある行動を促すことで、都市環境での糖尿病の増加に対応することを目指している。
市の指導者や省庁、学会、糖尿病協会、健康保険会社、コミュニティグループ、企業などを含む100以上のローカルパートナーが、分野を超えた新たな形の官民パートナーシップで協力し、課題を特定し、新しい健康行動とポリシーを提供し、健康に影響を与える他の課題に関連づけている。
日本では、超高齢化が糖尿病増加のリスク因子になっているという日本特有の糖尿病増加の要因をふまえて、2018年に福島県郡山市と日本初となる「Cities Changing Diabetes」プログラムを行っており、千葉県旭市は2例目となる。