【新型コロナウイルス】迅速検査システムを開発 40分以内でウイルス遺伝子を検出
2020.04.02
新型コロナウイルス感染の鑑別を補助するPCR検査が3月6日保険適用され、迅速検査システムの開発が急ピッチで進められている。従来のPCR(合成酵素連鎖反応)法よりも大幅に時間を短縮したシステムが開発された。
40分以内でウイルス遺伝子を検出できるシステムを開発
キヤノンメディカルは3月26日、同社と長崎大学が共同開発した新型コロナウイルス迅速遺伝子検出システムが行政検査として実施可能になったと発表した。 開発したのは、遺伝子増幅法である蛍光LAMP法を用いた「新型コロナウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KIT」。患者検体から新型コロナウイルス遺伝子を検出するまでに要する時間が、検体の前処理操作(ウイルス遺伝子の抽出)を含めても40分以内でウイルスの遺伝子が検出可能。 これを用いた迅速遺伝子検出システムは、厚生労働省および国立感染症研究所による「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査法について」で、陰性一致率100%、陽性一致率90%以上であることが公表された。国内初の新型コロナウイルス検査キット(RT-PCR法)が承認取得
シスメックスは3月27日、「2019-nCoV検出蛍光リアルタイムRT-PCRキット」について、体外診断用医薬品として国内初の承認を取得した。 同製品は、リアルタイムPCR装置とともに利用することで、上気道由来検体(鼻咽頭拭い液)または下気道由来検体(喀痰もしくは肺胞洗浄液)から抽出した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRNAを検出することが可能。一般的名称 | SARSコロナウイルス核酸キット(84014000) |
販売名 | 2019-nCoV検出蛍光リアルタイムRT-PCRキット (体外診断用医薬品製造販売承認番号:30200EZX00017000) |
シスメックス株式会社 | |
PCR装置について | アプライドバイオシステムズ7500 Fast Dx(Thermo FisherScientific製、製造販売届出番号:13B1X10227000001)または同等の遺伝子解析装置 |
関連情報
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療所・病院におけるプライマリ・ケアのための情報サイト(日本プライマリ・ケア連合学会)
- 新型コロナウイルス感染症 診療の手引き(第1版)
令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]