糖代謝異常者の循環器病の診療 日本循環器学会と日本糖尿病学会が合同でステートメントを公表

2020.03.26
 日本循環器学会(代表理事:小室一成)と日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝)は、合同で「糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント」を作成・発刊した。

双方の専門医の間の紹介基準も提供 幅広い臨床場面での利活用を想定

 米国のフラミンガム研究によって、高血圧、脂質異常症、喫煙に並んで、糖尿病が循環器疾患の危険因子であることが明らかになった。それ以来の国内外の多くの研究により、糖尿病は動脈硬化を促進することで、心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳卒中、大動脈瘤、末梢動脈疾患を惹起することが明らかになっている。

 糖尿病は心不全の原因としても注目されている。「脳卒中・循環器病対策基本法」では、基本理念のひとつに循環器病の予防が挙げられ、心不全をはじめとした循環器病予防としての糖尿病対策は重要とされている。

 糖尿病に特徴的な細小血管の異常によって起こる腎臓病・網膜症・神経障害は血糖の管理により短期間に抑制されるのに対し、大血管障害に起因する心筋梗塞や脳卒中などの発症を抑制するには長期間を要する。

 そこで、日本糖尿病学会と日本循環器学会は合同でコンセンサスステートメントを作成した。同ステートメントは、単に最近のエビデンスにとどまらず、糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関する重要なポイントが網羅されている。

 双方の専門医による情報共有および相互理解のためのガイドライン、さらには両診療科間の紹介基準の提供といった、幅広い臨床場面での利活用を想定している。

1. 診断
1. 糖代謝異常
2. 循環器疾患
2. 予防・治療
1. 糖代謝異常者における大血管障害(冠動脈疾患・末梢動脈疾患)の予防・治療
2. 糖代謝異常者における心不全の予防・治療
3. 糖代謝異常者における心房細動の治療
3. 紹介基準
1. 糖尿病専門医から循環器専門医への紹介基準
2. 循環器専門医から糖尿病専門医への紹介基準

糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント
[編集]日本循環器学会・日本糖尿病学会 合同委員会

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