SGLT2阻害薬「フォシーガ」が2型糖尿病患者の心不全による入院または心血管死を有意に減少 DECLARE試験
2018.09.28
アストラゼネカは、SGLT2阻害薬「フォシーガ」(一般名:ダパグリフロジン)の大規模心血管アウトカム試験である第3相DECLARE-TIMI58試験(以下、DECLARE試験)の結果を発表した。
フォシーガが1万7,000人超の患者群において、心不全による入院または心血管死の複合評価項目を有意に減少させ、主要評価項目を達成したという。
フォシーガが1万7,000人超の患者群において、心不全による入院または心血管死の複合評価項目を有意に減少させ、主要評価項目を達成したという。
大規模心血管アウトカム第3相DECLARE-TIMI58試験で良好な結果を達成
DECLARE(Dapagliflozin Effect on Cardiovascular Events[心血管系イベントに及ぼすダパグリフロジンの作用])-TIMI58試験は、同社が実施する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験。複数の心血管リスク因子、あるいは、心血管疾患の既往歴を有する患者を含む、CVイベントリスクが高い成人2型糖尿病患者を対象に、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価した。 DECLARE試験には、日本を含む世界33ヵ国882施設から1万7,000例超の患者が登録され、TIMI試験グループ(米・マサチューセッツ州ボストン)がHadassah Hebrew大学メディカルセンター(イスラエル・エルサレム)と協力し、独立して実施された。 同試験では、フォシーガはプラセボ群に対して主要心血管イベント(MACE)において非劣性を示し、安全性の主要評価項目を達成した。また、有効性における主要評価項目の1つである心不全による入院または心血管死の複合評価項目で有意な減少を達成した。さらに、もう1つの有効性主要評価項目では、MACE事象はより少ない頻度で確認されたが優位性は示されなかった。 「DECLARE試験において、ダパグリフロジンが心不全による入院もしくは心血管死の複合評価項目の発生率を低下させ、また、広範な使用を裏付ける安全性プロファイルが得られた。ダパグリフロジンが2型糖尿病患者の多様なグループにおける重要な医療ニーズへの対応を促すという大変有力なエビデンスとなる」と、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院およびハーバード大学医学部のStephen Wiviott氏は述べている。 なお、日本ではフォシーガは、心血管イベント、心血管死、心不全の抑制に対する適応はない。同試験の詳細データは、シカゴで開催される米国心臓協会(AHA)学術集会で発表される予定。[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]